医療観察法国賠訴訟傍聴の呼びかけ

治療の可能性のない「精神遅滞及び広汎性発達障害」との診断を受け、刑事責任を問いえないとされた方が、2年も前の事件を理由に、医療観察法に基づく鑑定入院を命じられました。これは、治療可能性を前提とする医療観察法の規定に反するとして、国家賠償訴訟を起こしました。医療観察法が、裁判官・検察官によって、事実上の「保安処分」や「懲罰」として機能しているのではないか、という疑問が沸く事件です。もうすぐ第2回期日が開かれ、国の反論が明らかになります。ぜひ、たくさんの方々に関心を持っていただき、傍聴に来ていただきたいです。

【医療観察法国賠訴訟次回期日のお知らせ】
第2回口頭弁論期日
2017年7月19日(水)10:00
東京地方裁判所615号法廷
(担当部:東京地裁民事第41部)

◇医療観察法国賠訴訟第1回口頭弁論期日のご報告

1 第1回口頭弁論期日について
精神遅滞及び広汎性発達障害という診断を受けており、医療観察法に基づく入院の必要性がないのに、鑑定入院(精神鑑定のための入院)として58日間にわたり精神科病院に収容された方(原告)が、国を被告として、慰謝料等の損害賠償を求めた事案について、2017年5月24日(水)11時30分、東京地方裁判所において、第1回口頭弁論期日が開かれました。お忙しいなか、多数の方が傍聴に駆け付けていただき、ありがとうございました。
第1回口頭弁論期日の時点では国の反論がまだ提出されていないので、第1回口頭弁論期日は、訴状などの陳述(提出)などの手続のみが行われました。第2回口頭弁論期日までに国の反論が提出される予定で、これにより争点が明らかとなり、実質的な審理が始まることになります。

2 医療観察法国賠訴訟における争点
① 検察官による審判申立の違法性
治療可能性のない者を医療観察法の手続に乗せて良いのか(医療観察法33条1項の「この法律による医療を受けさせる必要」の問題)や傷害事件発生から2年間も審判申立をせずに放置してよいのか、など。
② 裁判官による鑑定入院命令の違法性
治療可能性がなく、不処遇決定が予想される者に対して、鑑定入院命令を発して良いのか(医療観察法34条1項違反の「この法律による医療を受けさせる必要」の問題)。
③ 裁判官が鑑定入院命令を取り消さなかった不作為の違法性
④ 不処遇決定に対する補償の有無と差別の問題
医療観察法の場合には不処遇決定になっても補償がなく、刑事事件における無罪や少年事件における不処分よりも不利な取扱いがなされており、差別にあたるのではないか。

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医療扶助・人権ネットワーク 事務局長
弁護士 内田 明
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