全国「精神病」者集団ニュース 2007年12月号

2007年12月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。なお、一部、省略している箇所や伏せ字にしている箇所があります。)

全国「精神病」者集団

ニュース


= = = ごあいさつ = = =

風が冷たくなり冬の気配が一層近づいてまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

読みやすさを考え始めてからすぐ、なんともこれから面白くなりそうな連載エッセイを一目山逃走寺さんが投稿してくれました。連載小説や連載エッセイは次のニュースを期待させます。先月は数々の投稿をいただきましたので、少し遅れて来月号に掲載します。

皆様の中には生活保護受給者の方も沢山いらっしゃると思います。生活保護が減らされるとか聞いて不安な方もいると思います。生活保護についての記事がありますのでお力になれればと思います。

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一目山逃走寺さんの連載エッセイがスタート!!

一目山逃走寺

今年、X月XX日のことである。再婚をきっかけに就職した。借金もあったし。俺、47才である。なんとか某ビルの管理人に潜り込めた。夫婦で住み込みである。家賃、光熱費は無料、しかし夫婦二人では若干狭い。1DKなり。引っ越した当夜から仕事を教わった。47才にして未知の仕事。なかなか覚えられない。1月くらいで、少し慣れた。上司もなんとなく、

「仕事の覚えは酷く遅いけれど、仕方ない。まあOK」

と言ってくれた。

人手不足らしい、このギョーカイ。一人管理事務所の椅子に座り、いろいろ横断的な作業。蛍光灯を取り換えたり、何やらこちらの知らない工事の業者さんと雑談したり。端からみれば様になっているように感じるかも。だけどちょっとこの仕事を知る方なら、バカ丸出しだろう。

さて、ニュースに載るかどうか、分からないが、このエッセイ、多分頑張った話にはならないだろう。社会復帰を望む方には裏切り必至の連載である。続編を待たれよ!

ある暑い夏の午後のことである。妻が言う。

「ねぇ、いつ再就職するのよ。雇用保険もうすぐ切れちゃうわよ」

なんとなく保護の暮らしに憧れかけていた俺も少しは動き始めねばならない。 「読売新聞にしましょうよ。就職情報が沢山載ってるわよ」

そんな話、あまり聞いたことないが怠け者の俺は東京新聞も飽きてきた頃だったので「ああいいよ」と答えた。妻は、サッサと新聞屋に電話をかけて明日から俺の嫌いな読売ということになった。毎朝、新聞を広げ求人欄を事細かに見るのが、俺、ではなく妻の日課になった。

「この仕事なんていいんじゃない?」

聞くとテナント・ビルの管理人である。「住み込み?」と、俺。家賃を溜め込み気味の俺にはそれが唯一の条件だった。「そうよ。そうよ」

8月のある日面接に行った。なんと、一発で内定。怠け者の俺でもかなり嬉しかった。しかしコレが喜劇の始まりである。

就職のとき病気を隠したか否か、これは皆さん、気になるところでしょう。結論からいえば隠した。どうしようか迷ったけれど、病気休職がいろいろ取り沙汰されている中危険に想い言えなかった。「病」者だって立派な労働者になることはよくあることで、俺だってその気になれば病をおして働けるんだと言いたかったけれど、仕事に慣れてきてからにしようと、今は逃げている。むづかしい問題なので、別の機会があればまた考えよう。

さて引っ越し当夜から仕事を教わったがホントに俺は物覚えが悪い。同じことを上司に何回も尋ね閉口させたこと、頻回である。また覚えたと思ったことも実際やってみると、これまた最低2回は間違えた。俺は間違えなければ覚えられない質らしい。4つ位年下の上司から何度も何度も「お前はバカか」と怒鳴られた。「病」者が仕事を覚えようとすれば、こうした鈍感さがあった方がいいのではないかと想わされた。なに最初から図々しいくらいで丁度いいのだ。健常者はみなそうしてる。

(2008年2月号へつづく)


第2回 当事者インタビュー

Sさん 31歳 (イラストもSさん)

K 前回は近畿地方の60代男性でした。少ない知り合いを駆使してジェンダーバランスを考えております。近畿、東北、関東、北海道、四国、九州、中国、中部とやっていきますよ。

第二回目は、東北地方からSさんです。女性の方です。よろしくお願いします。

Sさんは、病気になる前はどんな生活をしていましたか?

S 生活…。

病気になったのが、いつからかというのも怪しいのですが・・・・

K 病気になる前というよりは、病気と診断される前ですね。この場合は、精神保健福祉を消費する前の生活なんですがね。

S 外に出るより、家にいる方が好きでした。

あのときは、漫画家になろうとしていたのと、家にいる、そうせざるをえなかったので、用事がたまるまで極力家から出ない生活を送っていました。

宙に浮いていたし、世の中と、自分に関連性を見い出せなかったです。

だから自分の生活は家族と家の中でした。

学生のころもずっと、人と上手く関われず、最後はいつも苛められて終わっていたから何をどうしたらいいか、変われるか分からず、ただ人の目を、怖いと思って生活していました。

K 私も漫画家にあこがれる感情をもっていました。それから、多いような気がします。漫画家を目指した仲間が。それから、自衛隊をやっていた人も多いような気がします。

話がずれましたが、外に出ないで家の中で漫画の勉強をしていたのですね。そういった状況から精神病と診断されますが、そのときはどうでしたか?

S 周りからの幻聴のせいで生きた心地がせず、これが世界の本当なら、私は狂っている。と思いました。

診断を受けた時、治らないんだあと、そうか、私がおかしかったんだなって、安心しました。

でも、一瞬です。

普通の女性の人生は、あきらめるんだなあ…と悲しい半面、人の幸せで喜ぶことで、悲しい気持ちをまぎらわしていました。

K ところで、Sさんが言う普通の女性とはいったいどういったものですか?

S 恋愛。結婚。ウエディングドレス。子供を産む。幸せな家族。キャリアウーマン。

私だけ?

K Sさんだけとは思いませんが、私にはそういった概念がないので質問しました。と言うことは、普通になりたかったのですね。子供のころから学生にかけて夢はありましたか?

S 子供のころは、最初が「お嫁さん」、次が「探偵」、そして「巫女さん」それから「漫画家」と変化しました。 宙に浮きすぎていました。怒られそう…。

K だとすれば、そういった普通の女性(?)のイメージが病気で実現できない気分になったのは致命的でしたね。

致命的覚悟をしてからの闘病生活(?)はどういった生活でしたか?

S 病気になってから、最初は薬に苦戦し、立ちくらみと具合の悪さで寝ていました。

そのうち元気になってくると、本が読めるようになってきました。

と、いっても家に郵送されてくる洋服のカタログや家にあった花の本ですが…。

花を育てたい!

しかし、働いてないのに外に出れない。

働かないと何も始まらない。

と、おもしろくもなんともない話ですがその後24歳でしたが病気を隠して働きましたが薬を飲んで朝3時起きは長くは続きませんでした。

薬の副作用でむずむずして足がカタカタをごまかすのも辛かったし、人ともうまく付き合えず、また、倒れました。

そしたら主治医にデイケアを勧められましたが、同じ障害の人との交流は楽しかったですが、SST他プログラムに参加はしていたもののあるシリーズもののイラスト以外は無駄なことはない。と勉強と思い、仲間といるための理由でしかなかった。

今また同じ危機を迎えているので、自他共に、障害者の恋愛についていろんなむずかしさを感じたことが、財産だったのではないでしょうか。

また、K君に逢って人生が変わりました。

その後、(略)で希望だった花や宅配、当事者活動、忙しくも充実した生活が…。(周りにとっては非常に迷惑だったろうと思います。)

元気にやっていた時もありました。(略)インターンシップでは、念願のホワイトカラーを実際手伝い、社会貢献と地方シンクタンクのやっていることとはイコールなんだなと嬉しくなりましたが、このころからまた体調があやしくなりました。

インターンシップでは浮き沈みの激しい自分の気持ちを文字盤治験だと自分の日記を公にしました…。

幸せと病気の影。

OD。

大事な人を大事にできず、そのことから始まった出来事と韓国行きについての仲間との隙間…。

説明が求められる現状。

今、かなり厳しい浮き沈みが激しい生活を送っています

K そうか。俺に出会ってから人生が変わって、その俺ともめて、また具合がわるくなったわけですね。

これからどうしていきたいですか?

S 余りあるエネルギーをストップしたいです…。

なるべく自分を抑えながら、ヘルパーとりたいです。

企画できたらDPIで持ち帰った情報で職域を開拓したいです

K あああ・・・そうですか。

まぁ・・・ええ・・・あのぅ・・・・わかりました。

そろそろ、終わるんだけども、最後になにか終わったような雰囲気の終わり方にしたいのですが、どうすればいいのでしょうか。

終わります、と素直に書けば終わった雰囲気になるのでしょうか?「ありがとうございました」のほうがいいですね。

Sさん、インタビューありがとうございました。

S あり?ありがとうございました。


ある精神障害者の独り言の本の紹介

祝!「文芸社出版文化賞2006」社長賞受賞

書名 : ある精神障害者の独り言

副書名: みんなかけがいのない命

出版社: 文芸社ビジュアルアート

著者 : 津田誠大

価格 : 735円(本体700円+税)

発行 : 2007年9月

この度、「文芸社出版文化賞2006」にて社長賞を受賞させていただき、書籍化の運びとなりました。この間苦しい病との戦いの中、吐血をしながらも出版の準備を進めてまいりました。いまは大丈夫ですので、ご心配なく・・・

さて、本のことですが、9月1日に全国一斉発売となりました。全国50店舗の提携書店に置いていただいております。また、全国どちらの書店からでも取り寄せにてご購入は可能です。ネット販売もいたしておりますので、文芸社ビジュアルアートのホームページをぜひ一度ご覧ください。どうか、2冊、3冊と続けて本が出せますように、皆様の「お力」をお貸しいただけたらと思います。

本の内容ですが、俳句の章、短歌の章、詩の章との3部構成となっております。俗に言われている健常者、病者を問わず、何かを感じさせる一冊となれば幸いに思います。

これからもどうか、よろしくお願いいたします。

ぼちぼちクラブ 津田誠大


障害者権利条約でいったい何が変わるの?

そもそも条約とはなあに?

そんなあなたの疑問に答える1冊です。

全国「精神病」者集団の窓口係山本もQ9 精神障害者にとって、この条約はどのような意味がありますか?の一章を書いています。

ぜひお買い求めあるいは図書館にご注文の上後一読を

障害者権利条約この一冊でよくわかる

障害者の権利条約でこう変わる Q&A

DPI日本会議 (編集), 東 俊裕 (監修)

解放出版社 (2007/12/5)

価格:  ¥ 1,470 (税込)


韓国障害者差別禁止法制定推進連帯と日本障害フォーラムの障害者差別禁止法セッション報告

全国「精神病」者集団 山本眞理

9 月5日より8日まで第7回DPI世界会議が韓国で開催されました。70あまりの国から計2700名が参加をし、分科会や付帯行事を行いました。障害者人権条約国連採択後、初めてのIDA(国際障害同盟)参加団体のDPIの総会ということで、大きな意義があったと考えます。

5年近くの間、IDAを中心にして、国際障害コーカス(IDC)が結成され、特別委員会の会期の間も熱心な討論が続けられました。世界70団体あまりが参加したIDCは地域・国をこえ、障害種別をこえ、団結して条約へのロビーイング活動を行いその力で私たちの障害者人権条約を獲得したことは、歴史的な障害者団体の勝利でした。

DPI総会という貴重な機会に、メーリングリストでしか話したことのない、世界からの仲間に出会い、直接議論できたことに大変感謝しています。

とりわけこの世界会議開催中に同じ会場で、日韓差別禁止法セッションを開催できたことは大きな収穫でした。

このセッションはJDFと韓国の障害者差別禁止法制定推進連帯(障推連)の共催でひらかれ、日韓両国から100名あまりの方のご参加を得ました。日本からはJDFメンバー以外にもこの間条約関係に助成をいただいている助成財団として、キリン福祉財団の国松様にもご出席いただきました。また、韓国の国会議員で障害当事者でもあるチャン・ヒャンスク議員もお忙しいにもかかわらず、 祝辞を述べてくださり、報告も聞いてくださいました。

韓国からの報告は障推連の法制委員であり、身体障害者のぺ・ユンホさんから差別禁止法制定に向けた障害者自身の闘いの報告、弁護士で推進連帯法制委員のパク・チョンウンさんから差別禁止法の背景とその中身についての解説。日本側からは東俊裕さんが日本のいままでの障害者運動の総括と差別禁止法にむけた国内での取り組みの必要性が話されました。

韓国では07年3月6日国会議員197名中196名の賛成で「障害者差別禁止および権利救済等に関する法律」が国会で成立しました。08年4月11 日から施行されます。ここにいたる道のり激しい闘いの連続でした。90年末より一部で差別禁止法の必要性が語られ始め、02年には「開かれたネットワーク」の案と障碍権益問題研究所の案の二つが出され03年に4月には韓国障害者団体そう連名と障害者団体総連合会、第三者などの障害者団体が総結集して「障害者差別禁止法制定推進連帯(障推連)」が結成されました。

各地での公開討論会の積み重ね、立場を超えて論争しお互いを説得する作業が継続されました。障進連としての案を練り上げ、05年9月には民主労働党を通じて国会に提案された。しかしこの案は障進連の意図に反し法務委員会ではなく保健福祉委員会にまわされ、上程すらされずたなざらしとなった。障進連としては06年人権委員会占拠篭城を行い、8月に大統領諮問機構である、反貧富格差・差別是正委員会主観で障進連と政府各省庁が民主労働党案を協議することとなった。この間デモや、反対する経済界に向けた闘争が組まれた。政府と障進連との綱引きは続き、その結果手直しされた案が国会に上程され、成立した。

ペさんはとても短い時間で7年間の闘いを話すことは不可能とおっしゃっておられましたが、障害者団体間の意見の違いを出し合い議論を積み上げ、そして国会篭城や路上での闘争など激しい闘争を繰り返して勝ち取ったという韓国の障害者運動の力強さに感動いたしました。被逮捕者も出ていまだその罰金に各団体は苦しんでいる実態だそうです。

朴さんは韓国の差別禁止法の意義を以下説明してくださいました。主要な点を上げると、

1 当事者主義 韓国の差別禁止法はまさに当事者が作り上げた法案を当事者の闘いにより成立させたと言う意味でまさに障害者の勝ち取った果実であるといえる。

2 連帯主義

障害者運動の分裂の歴史はあっても、差別禁止法制定に向け、全障害者団体(247の全国。

地方団体)が一つとなって歴史上初の連帯闘争を繰り広げたこと。

3 「慈善から人権へ」のパラダイム変換 慈善の対象から権利の主体として、権利侵害に対して救済される人権的パラダイムの確立

4 障害者差別禁止法の制定が韓国社会総体に与える影響 国内の性的マイノリティ、非正規労働者、などなどマイノリティへの差別の実態に対して、禁止法制定が社会の差別文化総体への批判と多数派の認識変換への契機となった。さらに総合的な社会的差別禁止法という基本法への展望も開けた

東さんは韓国の差別禁止法制定は大陸法系の国では世界初の制定であり、この点で画期的意義があり、日本の差別禁止法制定にとっても大きな弾みがつくということを説明。日本の現状分析と今後の取り組みに向け以下を報告。

日本の障害者運動が、いわば高度成長のおこぼれを障害種別の団体が行政交渉の中でとってくるという運動であったが、パイが小さくなれば当然のようにその成果も削られてきたのが現状であり、その象徴が、介助をたくさん必要とする人ほど重い負担を負わせるという障害者自立支援法であった。この障害者自立支援法反対闘争において今までの軋轢をこえ障害種別をこえた連携が始まった。法成立後はさらに広い連携が抗議行動として取り組まれてきている。

今後は障害種別の行政交渉というやり方から、団結して国会での立法をターゲットにした闘いが必要であり、JDFの参加各団体が地方レベルで連携して差別禁止法あるいは差別禁止条例制定に向けて取り組めるかどうかが問われている。そうした地域からの取り組みを背景に条約批准と絡めて差別禁止法に向けた国会ロビー活動が今こそ必要である。

3時間という条件でかつ言葉の壁もあり、なかなか踏み込んだ討論が行えなかったのが残念といえば残念でしたが、障害年金制度も介助制度も保障されていないという韓国の実態の中で、街頭闘争その他の大衆的な闘争、地域での集会の積み重ねを背景とした国会ロビー活動という、いわば私たちの今後学ぶべきお手本を韓国の仲間から提示していただいたセミナーであったと思います。

さらにパクさんが触れられた、韓国の差別文化総体へ影響とりわけ障害者以外の被差別者の闘いへの影響という点は非常に重要な指摘と考えます。韓国の人権闘争民主化闘争は私たちが常に注目してきたものですが、日本は韓国と違って国内人権機関もない、刑事司法手続きで言えば起訴まで23日間も代用監獄に勾留される(韓国は48時間)という中で、人権の最低基準としての障害者人権条約の国内履行に向けては、日本の人権水準総体の向上が必須ともいえます。障害者人権条約の基本は「他のものとの平等」したがって、「他のものの人権水準」の向上なくして障害者のみの人権水準向上はありえません。

とりわけ障害者人権条約は33条において国内履行監視機関を明記しています。これは今までの人権条約にはなかった条文であり、国内人権機関創設にむけた大きな武器となるものです。

今後障害者団体の連携はもとより、人権団体、他の被差別者団体との連携を深め、人権後進国日本の状況総体を変えるために、障害者人権条約を活用し、私たち障害者こそが先頭となって闘っていく必要があることを痛感しました。

ぜひもう一度じっくり時間を取ったセッションを韓国の仲間と日本で開きたいというのが私の願いです。


冬季カンパのお願い

枯葉の季節となりました。毎年のうつ病期に入っておられる仲間も多いことでしょう。このアピールと書いているさなか11月に、政府社会・援護局は局長の私的勉強会として生活保護の最低生活費基準を引き下げる検討会を開始し、11月30日たった5回で打ち切り、12月の予算編成に反映させようとしています。生活保護の最低生活費は、住民税非課税、国民年金の減免、公立高校の授業料減免などの水準すべてに影響するものであり、生活保護受給者のみならず、すべての人の生活に多大な影響を与えるものです。こうした中で物価上昇もあり、皆様ご多用のおりに恐縮な申し入れですが、カンパ要請をさせていただきます。

この5年間障害者権利条約への取り組みを継続してまいりましたが、いよいよ国内履行に向けた条約を生かす闘いが求められています。強制の廃絶に向けてそして何より心神喪失者等医療観察法の廃止に向け、全国「精神病」者集団の闘いも正念場を迎えております。活動は多岐にわたり、支出も増大し、今年は大幅な赤字を抱えそうです。

また政府は終末期とみなされた人への治療打ち切りや人工呼吸器取り外しを可能とするため、なんと事前の意思表示書作成に保険点数をつけるという抜け道で尊厳死の実質制度化を図ろうとしています。

かつて交通事故死者1万人突破のときは交通大戦争といわれました。自殺者毎年3万人というこの社会はいまや持てるものと持たざるものの、内戦状態といえましょう。障害者がそして病人が、まさに殺され続けてきましたし、いま生活保護の最低生活費基準の引き下げや尊厳死攻撃の中で、さらに障害者差別抹殺攻撃が強まってきているといっていいでしょう。

こうした中で全国「精神病」者集団ニュースは今年も号外も含め6回目を出すことができました。今後も全国の仲間にニュースを送り、情報を共有しそして交流を深めていくために、さらにそうした活動を踏まえ、「精神病」者の利益代表として活動を継続していくために、多くの方にカンパを訴えます。なにとぞよろしくお願いいたします。

なお同封の振替用紙はすべての事務上の都合ですでにカンパをいただいた方も含めすべてのかたに同封しておりますが、今までどおり「精神病」者会員には無料でニュースをお送りいたしますのでご心配なく。また領収書は経費節減のため次号ニュースに同封させていただきますのであしからずご了承ください


運営委員会報告

@夏の疲れが出て皆ばてばてですが、何とか月2回の電話会議を継続しております。

@全国「精神病」者集団窓口係およびWNUSP理事の山本眞理が、9月にソウルで開かれた、DPI世界大会のソウルで、強制収容の分科会で発表しました。同時に開かれた日本障害フォーラムと韓国の障害者差別禁止法制定推進連帯との共済の障害者差別禁止法日韓セッションにおいて司会を務めました。報告は日本障害者リハビリテーション協会機関紙(本誌掲載原稿)およびDPI日本会議機関紙に掲載しました。

@9月27日28日に開かれた日本病院地域精神医学会で、運営委員のMとSが参加しました。Mは理事会企画の医療観察法シンポでシンポジストを勤めました。

@日本政府は9月28日に障害者権利条約に署名し、批准への意思を国際的に明らかにしました。それと同時に政府訳も公表しましたが、その訳はさまざまな問題点があります。全国「精神病」者集団として許せないのは17条のインテグリティを「健全」と訳している点です。今後全国「精神病」者集団としても日本障害フォーラムとしても問題にしていきます。

@10月13日に開かれた、「世界死刑廃止デー企画 響かせあおう死刑廃止の声2 0 0 7」に全国「精神病」者集団として賛同団体に参加しました。また鳩山法務大臣の死刑執行「自動化(?!)」発言弾劾声明にも賛同しました。

@10月16日に障害者権利条約推進議員連盟総会が開かれ、日本障害フォーラムも参加して外務省はじめ関係省庁も参加してヒヤリングが行われました。日本語訳の件も含め今後も障害者団体との協議を行うこと要請しました。

@10月27日福岡で開かれた学習会「心神喪失者等医療観察法を考える」第4回 司法から見た医療観察法を運営委員の和田が参加している団体で開かれました。山本眞理も講師として参加しました。

@11.4「持たざる者」の国際連帯行動に賛同しました。

@運営員Wも参加している、福岡県県営住宅に知的、精神障害者の単身入居が可能となったが、入居に際して、知的と精神1,2級の全員と、精神3級のうち常時介護を必要とする人は24時間サポートを受けることを必須とした件に関して、福祉サポートを一方的に一律に押し付ける条件付入居は間違っているという申し入れに、賛同しました。

@12月1日、2日に開かれた、第13回障害者政策研究集会に、全国「精神病」者集団として参加し、権利擁護分科会でMおよび山本が発言しました。


編集後記

♪♪ ニュース担当者が多忙につき、途中からニュース編集を久々にひきうけました。多くのご投稿を掲載できなかったことをまずお詫びいたします。

♪♪ 次号は来年2月発行予定です。時期が外れるご投稿が多くなってしまうかもしれませんが、今回掲載できなかったご投稿は次号に掲載させていただきます。

♪♪ 障害者政策研究集会では石毛元衆議院議員が、もはや霞ヶ関の官僚はともかくややこしい制度を作って自らの権益を守ることしか考えていない。国会に働きかける必要がある。今度の衆議院選挙に向け、障害者差別禁止法を作るという公約を各党にさせること、さらに、条約の政府訳についても官僚を相手にせず、国会で集中審議の場をつくるべしとお話くださいました。韓国のような地域からの大衆運動の盛り上がりをどう創っていくのかが重要でもありますが、政府訳についてはともかく国会での審議の場を作らせることは重要でしょう。

♪♪ 暮れ正月は私たちにとっては魔の季節です。一人ぼっちの時期になりがちですが、仲間との交流の場を一人でも多くの方が持てることお祈りいたします。せめてスカイプ年越しパーティーでもしようかなあ。でも圧倒的多数の会員は、インターネットはお使いではないし。全国「精神病」者集団窓口は暮れ正月もあけています。携帯電話も通じます。


全国「精神病」者集団ニュース 2007年8月号

2007年8月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。なお、一部、省略している箇所や伏せ字にしている箇所があります。)

全国「精神病」者集団

ニュース


= ごあいさつ =

病者集団のニュースは多くの会員にとって読みやすいのだろうか?この問題は常にあり続けた問題だと思います。

見やすいニュースを目指し、今回はインタビュー記事を載せます。今後も反応次第で引き続き行いますので、ぜひ皆様も気軽に参加してください。

これから少しずつ、読みやすいニュースをめざします。

全国「精神病」者集団連絡先の変更です。発送名簿の変更をお願いいたします。
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パンフ紹介

シンポジウム

心神喪失者等医療観察法のある社会を改めて問う

「保安処分法施行1年心神喪失者等医療観察法のある社会を改めて問う」

06年7月15日集会のシンポジウムをまとめたパンフです。

シンポジスト

市野川容孝さん、池原毅和さん、大賀達雄さん 龍眼さん

B5 39ページ 300円


討論資料 新たな保安処分との対決へ

昨年の一行諮問により現在法制審議会で審議されている新たな保安処分に関する討論資料です。

発行:刑法改悪阻止! 保安処分粉砕! 全都労働者実行委員会

B5 42ページ


第一回 当事者インタビュー

Sさん 京都府 61歳 男性

今月号から当事者インタビューを行います。

(略)


署名にご協力を!!

ハンセン病基本法制定および開かれた療養所の未来を求める請願書名を同封いたしました。ハンセン病元患者の皆様は、新たな隔離法として心神喪失者等医療観察法制定阻止のために、多大なご協力をいただきました。私たち「精神病」者はハンセン病元患者への隔離問題について何も取り組めていなかったことは歴史的事実です。

いまさらということもありましょうが、ぜひ同封の署名にご協力をお願いいたします。署名はご家族でなさったとしても、住所欄は同上とは書かず同じ住所をきちんと書いていただけますようお願いいたします。またファックスでの署名は無効となります。署名用紙にある連絡先に郵送していただけますようお願いいたします。

100万人署名を目指しています。第一次集約は12月です。一人でもかまいませんぜひご協力を


こころ系の時代を生き延びる 全国「精神病」者集団の闘い

全国「精神病」者集団 運営委員 S.T.

1974年東京において催された「第1回全国精神障害者交流集会」の場で全国「精神病」者集団は結成された。その際の決議は、「保安処分新設反対、精神外科を禁止せよ、電気ショック療法に対する患者の拒否権を与えよ、自由入院を拡大せよ、今日の精神衛生法体制に反対する、優生保護法に見られる精神障害者差別に反対する、通信・面会の自由権を承認せよ」等であった。

今からみれば考えられないことだが、かつては「精神外科」手術、つまりロボトミーが精神病への治療としてかなり広汎に実施されていた。有名なところでいえば、詩人アレン・ギンズバーグの母親もロボトミー手術を受けている。また、ベイトソンの著書にも、ロボトミーを受けさせられる患者が示した最後の抵抗(ユーモア)が記されている。全国「精神病」者集団で精力的に活動している山本眞理が長野英子名義で出した『精神医療』(現代書館)にもロボトミーを受けさせられる患者の最後の訴えが生々しく描写されている。

ロボトミーほど野蛮ではないにせよ、現在でも電気ショック(電気痙攣)療法は難治性のうつ病などに対して実施されている。現在では全身麻酔の上施術するのが常識となっているが、かつては無麻酔であり、且つ懲罰的に用いられる場合があった。電気療法の是非については現在でも論争が続いている。例えば、先日破産した精神障害者の親の会ぜんかれんが出している通信に、神田橋條治が電気療法に肯定的な発言をしたのに対し、ばびっち佐野が抗議し、謝罪・訂正文が掲載されるという出来事があった。(神田橋條治の新刊は、抗議文も収録しているとのことである。)電気療法が全身麻酔の上で行われるならば、少なくとも苦痛はないにせよ、記憶障害が残るケースが多々あるというのもまた事実である。電気療法の是非に関して、当事者や専門家を含めた討論が行われることが望ましい。

全国「精神病」者集団は、犯罪を犯した当事者の救援や、予防拘禁=まだ犯罪を犯していないのに再犯の惧れがあるからとの理由で拘禁することへの反対・抗議活動を主に行っている。そして当事者団体であり、精神病者、神経症者、人格障害等とレッテルを貼られたことがある人や自分で自分を病者だと自認する人で組織が構成されている。代表は置かず、メンバーの民主的な討論で意思決定を行っている。

精神病、神経症、人格障害(この範疇には問題があるが)と診断されて精神科の治療を受ける人の数は1990年代以降、激増している。それは精神科への偏見が弱まった、敷居が低くなったという肯定的な変化からもきているだろうが、社会そのものの構造的変化も大きく作用していると思われる。自ら命を絶った有名な精神病者には南条あや、山田花子、二階堂奥歯などがいるが、こうした人達、特に南条あやは、かつてのサブカルチャーのエートスの中で自己形成し、結果的に死を選んだといえる。それは彼女の遺した日記などを読むとよく分かる。

或る人は、かつてのサブカルチャーのブームが残したのは、結局は膨大な数のメンヘラー(精神科に通院している人を指す、2ちゃんねる由来と言われている表現)だったと述べている。サブカルチャーと或る特定の人間類型の生成の相関関係については慎重に見定めなければならないが、服薬への抵抗感が減り、何か悩み事があれば抗不安剤・抗うつ剤を飲めばいいといった或る意味プラグマティックな態度が主流になってきているというのはいえると思う。そんな中で、薬物の副作用も考慮し、十全な自己決定をもって薬物と付き合わねばならないというのは当然のことだろう。肯定的な意見もあれば否定的な意見もあるが、薬物と自殺との相関関係も報じられたことがある。それが実証されるかどうかは別にして、薬と自分の心身との相性をよく吟味しつつ医者なり薬と付き合うというのは絶対に必要なことであろう。

精神科の薬も日々進化し、かつてのような副作用が強かったり依存度の強い薬ではなくなってきていると言われるが、よく知られているように、覚醒剤とほとんど変わらないリタリンという危険な薬も出回っている。また、ハルシオンのような普通の睡眠薬であっても、健忘を起こすこともある。

適切な服薬により、症状の悪化や再発を防ぐことができる、というのは事実だろうし、自らの健康にプラスの選択をすべきであることも言うまでもないだろう。だが、精神科領域は、自らの脳なり心という最も内奥のもの、最も重要なものを巡る政治の場でもあるのだ。サバイバルのために薬を飲むとしても、

薬に依存したり、薬のせいで破滅したりしないようにする必要がある。

私は暫定的に「こころ系」と呼ぶが、近年増大しつつある膨大な数の精神医療ユーザーには、精神病者なり精神障害者としてのアイデンティティがない人が多い。そして、そういう人達に無理にアイデンティティ獲得を強要することはできないであろう。このことは、木村敏も指摘した、精神病の軽症化傾向な

どとも関係している。かつてのような「典型的」な精神病者(例えば、人格が荒廃し一生を静かに病院で過ごすというような)は少なくなってきているのだ。だが、だからといって自立支援法のような悪法の精神を肯定するようなことは、決してあってはならない。精神障害は、かなりの部分社会環境の問題でもあるのだから、社会が責任をもってケアすべきなのは当然だ。ハンディキャップを負って生きるのは、日本社会はまだまだ厳しい社会である。そういう条件のもとで、医療としても経済的にも当事者を支援し助けるような制度が必要である。また、個々の病者自身の力=潜勢力を最大限発揮していく方向も必要であろう。つまり、それが養生(神田橋條治)ということである。養生は、ほとんどスピノザ~ニーチェ流の倫理、「良い」「悪い」の倫理(自分の体に合ったものが良いものであり、不適合なのが悪いものである、という、良し悪しをアレルギーのモデルで考える考え)と言える。われわれは、自己の本性=自然に従って十全に力を発揮して生きるべきなのである。それは端的にいって、自己の創造性や生きる力を最大限高める、表現する、ということである。

私は、「こころ系」の時代である現代、全国「精神病」者集団のような相互扶助的で闘争的なグループの役割はますます重要になると考えている。心ないし脳の病いなり機能失調がこれだけ広汎にある以上、サバイバルのために当事者同士何を為し得るか話し合える場が必要なのは当然だ。が、例えば共謀罪法案などは、そうしたピアサポートの場すら犯罪化するものであり(例えば、ピアカウンセリングの場で、「あの医者、気に入らないな。殴ってやろうか?」と誰かが言い、別の人が「そうだ、それがいい」などと応答すると、それだけで「共謀」が成立してしまう)、絶対に許されるものではない。また、われわれは自己の生存権を勝ち取らなければならない。具体的にいえば精神障害者年金や生活保護、さらに最終的には、ベーシック・インカム(基本所得)を勝ち取らねばならないのだ。経験がある人には分かってもらえるだろうが、現在の制度の下で精神障害者年金を取得するのは、実際に生活が困窮していても、かなり難しいことである。国の基準は、統合失調症を一級、躁鬱病を二級と定めている。だから、人格障害や神経症では、多くの場合年金は取れないのである。が、軽症であるとしても、生活や就労に支障をきたしているという現実もあるのだ。軽症例にまで年金を出すと、国家財政が破綻するという言い方をする人がよくいるが、それは事実なのか? むしろ、軍事費など不要なものを削減し、所得税の累進課税や法人税率アップなどで、福祉のための財源を捻出すべきだろう。そうしたことは拒否しつつ金がない、予算が破綻する、などと言うのは結局現状追認でしかない。われわれは、そうした反動的な意見に負けずに、断固要求を貫徹する必要がある。われわれは、精神障害者である以前に、先ず人間であり、生きているのであって、生の無条件肯定こそ最初になければならないのだ。

全国「精神病」者集団のウェブサイト(私設)

http://www.geocities.jp/bshudan/

長野英子のページ

http://nagano.dee.cc/

Wikipedia内の項目「精神外科」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%9F%E3%83%B

南条あやの保護室

http://www.nanjouaya.com/hogoshitsu

二階堂奥歯 八本脚の蝶

http://homepage2.nifty.com/waterways/oquba/index.html


福岡県の退院支援施設の取り組み

W.T.(こころの病の患者会・うさぎの会会員)

福岡では、九州各県で幅広く連動した要望活動もあっていますが、私たちは退院支援施設について県内の二つの団体、うさぎの会とクイナの会の連名で、福岡県に提出してきました。当事者3名で行きました。応対は担当の係長です。以下、ご報告です。

今現在、県内で退院支援施設の具体的な予定はない。

(いつ出てくるかはわからない)

いろいろな批判が出ている。全国的に動きはかなりにぶい。

県の取り組みとしては、甘木、朝倉地区で、社会復帰促進事業をモデル事業として今年度の新規事業として実施。

大阪や埼玉、静岡などと同様の事業。自立支援員も置く。ピアの支援大切だが、ピアの自立支援員は、今年度はまだない。

退院支援施設について、これまで県として病院敷地内のグループホームはだめだと言ってきたのに、それとの関係で問題は感じている。

実際にどこかで実施されないことには、良いも悪いも、今、判断はできない。

病院としては、施設より医療でみたほうが収入が多いので、病院がそんなに積極的に作りたいと言ってくるものではないのではないか。

県としては経費の負担は増える。経費からいえば積極的に推進という姿勢ではあまりない。

地域に精神障害への差別があり、家を借りるのも困難な状況がある。隔離の問題としては、当初から私たちも意識していた。

利害がいろいろとある中で、いろいろな関係機関がいろいろ支援策を出してくる。それぞれにチャンスを与えないといけない。

隔離施設になるおそれがあるからという理由で、作るべきでないと言うことはできない。

これから作る計画が出てきたら、批判されているようなこと(看板の書き換えである、新たな隔離となる、一生出られないなど)といったことにならないように、気をつけて見ていく必要がある。

入院医療の必要のなくなった人がいつまでも入院しているのはどうかということがある。

退院支援施設のすべてが悪というわけではないだろう。退院支援施設を必要とする患者もいるとしたら、良い支援をしていかなければならない。

ほかにも批判は来ている。これからの取り組みに生かします。

1時間、話をして、こちらは一貫して反対の立場で話しましたが、応対はおよそ以上のような返答でした。ていねいな対応でしたが、疲れました。終わって席を立って、めまいがしました。国が実施している以上、なかなか難しいですね。積極的に作ろうという感触ではないところは評価できそうです。


07年8月13日

福岡県知事 麻生 渡様

こころの病の患者会・うさぎの会

クイナの会

精神障害者の社会的入院解消についての要望書

日頃より、私たち精神障害者の福祉のためにご尽力くださっていることに敬意を表します。私たちは精神障害者が中心になって活動している団体です。

さて、精神障害者の社会的入院の解消が重要な課題となっております。社会的入院は社会に支援が不足しているため、長期におよぶ入院を余儀なくされているものであり、患者本人の努力だけでは解決できません。地域の中に必要な支援、ホームヘルプや住居の確保、食事の宅配サービス、外出の介助、見守りの介助、ショートステイなどが十分に整備されていません。地域支援を必要とする人がだれでも受けられるように支援体制を拡大、充実させてください。

さらに、問題解決のために精神科病院の敷地の中に「退院支援施設」を設置することにより、見かけだけの退院者を増やすことは大いに疑問です。

退院に向けて必要な準備はいろいろとあります。大阪の退院促進支援事業に見られるように、患者は在院のまま、安心して退院のために必要な支援をじっくり受けられるようにするのが本来の退院支援のあり方です。

退院させられ、「退院支援施設」に移り住み、退院への準備をするというのは矛盾した話です。「看板の書き換え」「新たな隔離の始まりとなる」との指摘を真摯に受け止め、莫大な予算を使っての特別な「退院支援施設」による施策は早急に凍結、中止されるよう求めます。

退院支援の本来のあり方を見失うことなく、大阪で実績のある退院促進支援事業をこそ、福岡県でも本格的に導入してください。

以上

こころの病の患者会・うさぎの会

代表 W

すでに「地域移行型ホーム」という名の精神科病院敷地内施設は昨年10月から作られており、「退院支援施設」については、知りえた限り、山梨の県立病院敷地内と香川の精神科病院敷地内に作られることになっています。東京では交渉の中で、都内では今のところ作られる予定はないと言明しています。

今後も各地で長期入院患者の退院支援に向けた有効な支援の仕組みを私たち自身の力で作り上げていくことが求められています。


【声明】

我々はリスクマネジメントの名の下に進行している監視社会を拒絶する

心神喪失者等医療観察法〔予防拘禁法〕を許すな!ネットワーク

2005年7月15日、心神喪失者等医療観察法が施行された。

2007年5月14日の国会質疑によると、指定入院医療機関の整備状況は、国立病院機構の医療機関として、現在、国立精神・神経センター武蔵病院を始め十か所が開棟して、二百八十床が使われている。四か所が建設中。また、都道府県立病院については、岡山県、大阪府、長崎県、東京都において建設あるいは建設準備中。

都道府県立病院の指定入院医療機関としての整備が進まない理由は、各都道府県により事情が異なり、一概には言えないが、一つは、自治体立病院の再編成計画や建て替え計画等により直ちに医療観察法への対応が困難であること、二つは、精神科救急、児童思春期精神医療など地域の精神科医療の充実を優先させたい意向があることなどの理由があるものと考えられる。

本法が施行された平成十七年七月十五日から本年の二月二十八日までの間に、検察官が行った本法による医療等を求める申立ては五百七十三件。うち四百八十七件につきましては裁判所の決定がなされ、そのうち十三件について申立てを却下する決定がされた。

申立てを却下する理由としては、対象者が対象行為を行ったと認められない場合と、対象者が心身喪失者及び心神耗弱者のいずれでもないと認める場合がある。

全国五十箇所の保護観察所の社会復帰調整官は、平成十五年度当初で五十六、それから十七年度に七人増員、十八年度にも七人を増員し、平成十九年度の予算で更に七人の増員が認められ、この増員分を十九年の十月以降に採用する予定。合計でその暁には七十七人となる。

現在までに最初から通院処遇という精神保健観察の処分を受けるという人が百人を超えていると思われる。これは、定員が280床だから、487-13-280=194件については、既に施設外にいることは計算すればすぐ分かる。

地域間格差や、公平性、透明性、論理整合性など多くの点で医療観察法は既に破綻していると考える。

こうした状況のなかで、今国会で、更生保護法案が採決された。少年法や道交法の被害者感情に配慮するとする、厳罰化も押し進められてきている。また、2006年7月には所謂1行諮問、法制審諮問第77号が出されており、現在法制審議会で審議中である。

以下に心神喪失者等医療観察法と更生保護法案の目的をそれぞれ挙げてみる。

心神喪失者等医療観察法:この法律は、心神喪失等の状態で重大な他害行為(他人に害を及ぼす行為をいう。以下同じ。)を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする。

そして少なくとも、194人が既に精神保健観察に付されている。

更生保護法案:この法律は、犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、またはその非行をなくし、これらのものが善良な社会の一員として自立し、改善更正することを助けると共に、恩赦の適正な運用を図るほか、犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。

心神喪失者等医療観察法は刑法39条により完全責任能力が無いとされる精神障害者等に適用され、"もってその社会復帰を促進する"が目的であるのに対して、更生保護法案は、責任能力があり裁判に付された人に適用され、"もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進すること"が目的である。いずれも、 "同様の行為の再発の防止"や"再び犯罪をすることを防ぎ、またはその非行をなくす"のが前提となっている。

重大な他害行為や犯罪、非行の再発や再犯の防止が主眼であることはすぐに分かる。

法制審諮問第77号諮問とは杉浦法務大臣が諮問したもので「被収容人員の適正化を図るとともに、犯罪者の再発防止及び社会復帰を促進するという観点から、社会奉仕を義務付ける制度の導入の当否、中間処遇の在り方及び保釈の在り方など刑事施設に収容しないで行う処遇等の在り方等についてご意見を承りたい。」というものである。

注目すべきは"刑事施設に収容しないで"、の部分である。

心神喪失者等医療観察法は行政処分であり、拘禁される先は、重警備の病院であり刑事施設ではない。処遇されるという点では同じであるが、治療を受ける義務が課される。

ところで、更生保護法案の31条2項には 「保護監察官は、医学、心理学、教育学、社会学その他の更正保護に関する専門的知識に基づき、保護観察、調査、生活環境の調整その他犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護並びに犯罪の予防に関する事務に従事する。」と在り、矯正医療、更正教育のほか、あらゆる専門的知識が駆使され、これらが遵守事項、特別遵守事項と言う形で強制される。最近PSWが刑務所に配置されたのはそうした流れの一環である。

注目すべきは、心神喪失者等医療観察法で重警備の病院を出た精神障害者は保護観察所に置かれた保護監察官の下に入るという点だ。保護観察所に既に心神喪失者等医療観察法による社会復帰調整官と言う名のPSW等がいることは、ご存知のとおりである。

以上概観したように、前面にでているのは予防司法、予防行政とでも呼ぶべきものであり、本質はリスクマネジメントである。決して、犯罪を行った者や重大な他害行為をしたものと社会の共生や、個人の自由のためにある程度のリスクは社会が引き受けなければならないという思想ではない。ひたすら、安全、安心なのである。

1行諮問の際に言及されたのは、小児性愛、薬物依存などである。これらは、国際疾患分類ICD-10のF6及びF1である。つまり、これらが、精神疾患であるという意味だ。本人が苦しむならば、治療が必要である。法を犯すならば、刑罰が必要である。

ただし、我々はハッキリと言わねばならない。責任主義と罪刑法定主義を放棄するな。将来のリスクを勝手に判定するな。まだ起きてもいないことに対して、予防的不利益処分を科すな。リスク管理と称して、個人の自由を制限するな。行き着く先の監視社会を我々は否定する。

2007年5月


運営委員会活動報告

暑い毎日が続きますが、運営委員会は休みなく月2回の電話会議を継続しております。以下活動報告です。

1 日本障害フォーラム(JDF)関係

@日本障害フォーラムとして精神科病院敷地内施設問題にもう一度意見書を出すことを追求中

@6月13日に障害者権利条約推進議員連盟の総会があり、政府関係者およびJDF参加各団体も招かれて条約の批准に向けての意見交換が行われた。政府は邦訳および関係省庁との調整を行いっているところで年内にも署名したいという意向を明らかにした。JDFからの意見書および報告についてご希望の片は窓口までご請求を。コピー代・送料実費でお送りいたします。インターネットをお使いの方はメールでお送りいたしますのでメールでご請求ください。

@内閣府から障害者基本法に基づく後期障害者計画についてJDFに意見表明を求められ、7月30日に全国「精神病」者集団もヒアリングに参加。前期障害者計画における退院促進の総括、および障害者人権条約に基づく障害者施策の見直しと障害者団体の参加を求めた前提の上で、政府の求める以下のポイント(1.啓発交流分野 2.教育・育成分野 3.雇用・就業分野 4.生活支援・保健・医療分野 5.生活環境分野 6.情報・コミュニケーション分野ヒアリング)ついて意見表明。当日提出した文書は以下に掲載中。政府は聞き置くという態度でなんら回答を示さなかった。アリバイ的な場であることを今後も問題にしていかなければならない。

全国「精神病」者集団の意見書全文

http://nagano.dee.cc/070730naikakuhu.htm

@障害者人権条約についてJDFと政府との意見交換 8月9日

JDFとしての意見書を提出 詳細は次号に報告

@民主党の障害者自立支援法の見直しについてのヒアリング 8月8日

全国「精神病」者集団としては以下文書提出


「民主党障害者自立支援法フォローアップ作業チーム」で検討していただきたいこと

全国「精神病」者集団 運営委員 JDF担当 S.A.

1.利用者費用負担について、世帯分離が進まないため、結果的に自立支援医療の負担が増している。これは税の障害者控除との絡みもあると思われる。

2.そもそも、精神障害者が利用できる、リソースの類型や絶対量が少ない。またガイドヘルパーは待ち時間に支給されないということで、きわめて重要な通院に事実上使えない。

3.三障害統合と言っておきながら精神は別扱いになっているという実態がある。

4.施設や病院から地域へ、というノーマライゼーションの理念に反して、特定医の制度を設けたことにより、逆方向のベクトルが強化されており、以前は非合法に行われていた実態を自立支援法により合法化した。本来当事者本人を簡便な手続で強制的に拘禁する保護入院、それを担保する保護者の制度は、障害者人権条約にてらしても、廃止の方向で、検討されるべきである。

5.医療観察法、精神保健福祉法、自立支援法が、密接不可分、一体的に運用されており、三障害の各法はそのままに、障害者の範囲を定めるとした付則、障害者の整合性の取れた定義を検討するとした付帯決議は手付かずのままである。

6.医療観察法による、所謂、手厚い医療は年間1人あたり、約2200万かかるが、これは一般精神病院に入院する費用の5倍以上であり、犯罪に当たる行為をしなければ劣悪な医療しか受けられないという倒錯した現実がある。又、精神病床は全病床の2割を占めているが、掛けられている医療費は全病床の5%である。1人の精神科医が診る患者は一般病床の3倍であり、コメディカルの数も少なく抑えられているという実態は良質な医療と早期の社会復帰には不適当である。

7.退院促進について、国は予算の裏付けのある、地域社会への復帰の計画を示していない。数値目標だけが先行しており、その数値も少なく見積もられている傾向がある。

8.日本は人口1万人に対して27人が精神病院に入院しているが、これは世界一高い数値であり、少なくとも1万対15まで病床を削減する具体的な方策を検討していただきたい。

9.精神障害者に特性に配慮した雇用、所得保障(基礎年金のあり方等)を検討していただきたい。現状働けると、基礎年金が切られたり、手帳の級が下がったりするので働くというインセンティブを疎外している。

10.精神保健福祉の分野に、もっと当事者の働ける分野とそれを担保する制度的な保障を検討していただきたい。

11.問題となった、精神病院施設内の退院支援施設は白紙撤回していただきたい。

12.自立支援法、精神保健福祉法、医療観察法を、障害者人権条約の視点と水準から、全て見直していただきたい。

2007年8月8日

2 人権市民会議に参加

人権市民会議は人権にかかわる法制度のあり方を抜本的に検討し直し、新たな人権保障のシステムを築くため、市民の側から提言をしていこうと立ち上げられた団体です。ここに全国「精神病」者集団として参加することにしました。障害者人権条約の国内履行に向け、広く障害者団体のみならず、さまざまな被差別者の団体や人権関係の他団体との共闘連帯を目指してきたいと考えます。

(略)


ホーム

全国「精神病」者集団ニュース 2007年6月号

2007年6月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団

ニュース


= ごあいさつ =

今年も徐々に暑くなり始めました。いかがおすごしでしょうか。私は暑いのが苦手です。寒いのは服を着れば何とかなるけど、暑いと服を着ても服を脱いでも暑いからです。そもそも、薬を飲まなくなってから、代謝が良くなり夏が厳しくなったようにも思います。

さて、ふと見ると、そこにはヘルプサインがあります。強制されて傷ついた、仲間の声なのかもしれません。全国「精神病」者集団の本来の業務はそういった仲間と自由を取り戻していくことだったと思います。しばらくの間、それがしっかりとはできていなかったかもしれません。これから、全国「精神病」者集団本来の業務も、もっと考えていかなければなりません。

ニュースの編集員の問題もあります。現実的には編集員は不足していると思います。こういった、普段の活動以外にも、海外で行われる委員会への出席が重なれば、徐々にオーバーワークしつつもあります。

少しずつでも、多くの仲間の参加を実現できるように、いろいろと形を作っていかなければならない時期となりました。

皆様、応援よろしくお願い申し上げます。

陰の声 精神障害者の受給にとってはどれだけのことができるかまだ私もわかりませんが、それでもなお生き延びるために使える情報は皆さんにお知らせください。しかし生活保護の申請に法律家が出て行かないとならないというのは情けない話。「専門性」を主張する精神保健福祉士は、社会福祉士は、いったい何をしているんでしょうか? 福祉の専門家ではなかったんでしょうか?(英子)

全国「精神病」者集団連絡先の変更です。発送名簿の変更をお願いいたします。
★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒164-0011 東京都中野区中央2-39-3 絆社
E-mail  
電話 03-5330-4170
(火曜日から金曜日午後2時から6時
留守電のときは下記携帯電話へ)
080-1036-3685(土日以外午後2時から午後5時まで)
ファックス03-3738-8815

夏季カンパのお願い

うっとうしい梅雨の季節を迎えますが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 皆様のご協力のおかげで、全国「精神病」者集団財政は06年度も黒字となりました。次ページの会計報告をご覧ください。

全国「精神病」者集団の活動は、国際的には世界精神医療ユーザー・サバイバー・ネットワークへの参加、国内的には日本障害フォーラムへの参加を通し、障害者人権条約の国連での採択というかたちで結実いたしました。

中野の事務所では、日常的に福祉や強制入院の被害者からの相談を受け、役所や医療機関への同行や、精神科病院への面会活動などを行っております。会計報告をごらんいただければわかりますように、現在人件費はおろか、こうした活動への交通費も活動家の自己負担で行っております。多くの活動家がこうした自己負担に耐えられず、訪問や相談に応じられない悩みを抱えております。また各地からの悲鳴に対応するために手紙のための通信費もかなりかかっております。

現在財政強化を図り、少なくとも相談活動や同行活動への交通費くらいの保障を行いたいと考えてはおります。

ぜひ全国「精神病」者集団ニュース有料購読の拡大、パンフの販売、絆バックナンバーの販売などにご協力いただけますようお願いいたします。

またこの経済状況かでまことに恐縮ですが、皆様のカンパをお願いいたします。

口座名義 絆社ニュース発行所

口座番号 00130-8-409131


全国「精神病」者集団 2006年度会計報告

(05年4月1日から06年3月31日まで)

(略)


心神喪失者等医療観察法の実態

東京 長野英子

政府は当初全国24箇所(700名)の入所施設を建設するとしていたが、協力する病院が少なく、07年3月1日現在で、現在機能しているのは国立病院機構の10箇所(国立精神・神経センター武蔵病院、国立病院機構花巻病院、同東尾張病院、同北陸病院、同久里浜アルコール症センター、同さいがた病院、同小諸高原病院、同下総精神医療センター、同肥前精神医療センター、同琉球病院)、建築中が、国立病院機構榊原病院、同松籟荘病院、同賀茂精神医療センター、同菊池病院の4箇所、さらに残り10箇所を都道府県病院でまかなうとしているが、現時点では予定も含め4箇所(岡山県立病院、東京松沢病院、大阪府立精神医療センター、長崎県立精神医療センター)のみとなっており、収容施設は圧倒的に不足している。

これに対し国は都道府県立病院では当初の基準30床単位を切り下げ半数の15床、あるいはそれ以下の独立した病棟でなくとも病床単位でこの法律の収容施設として認めるとして、全都道府県立病院に建築をと都道府県に働きかけている。

昨年12月末現在の各都道府県別の申し立て状況および収容施設の実態は以下に掲載中。インターネットをお使いでない方にはコピー代送料実費でお送りいたします。

http://nagano.dee.cc/tekiyou.htm


情報共有システムによる障害者権利条約策定

全国「精神病」者集団運営委員 K

精神保健福祉コンシューマーのKです。青森県で活動をしております。私は、精神障害のセルフヘルプ活動による就労体制を今年一年密着研究し、地方シンクタンクで仕事をしました。そこのシンクタンクはかなり過激な方が経営している為、時たま話が盛り上がると左翼みたくなります。

そこで私が学んだ事は、社会全体に広がる問題は、基本的に情報の共有をしていない事だそうです。福祉にしても、福祉が問題なのではなく、情報の共有の欠如が問題であるという事です。

さて、2006年12月の国連総会で採択された、障害者権利条約ですが、国内法の策定がいよいよ課題となりました。ここで、「障害者のトップ」がこの法律を作ってしまうことは、従来の福祉と変わらないシステムで創られる事になります。いわば、一部の人の意思。いままでの自立支援法にしても、一部の人の意思で創られて、その人達にとっては良い法律であり続けました。しかし、一方は悪夢です。

すべての人の参加こそが、それらの問題を解決します。

そこで、権利条約の国内法の策定には、「日本中の障害者すべて」の参加が求められます。100%は物理的に難しくはありますが、少なくとも、権利条約という言葉はだれもが知っているくらいの状態までもっていく必要があります。

そのためには、「政策マーケティング」の導入こそが、日本中の障害者の意見収集が可能になります。青森県おいらせ町(旧下田町と旧百石町の合併)では、すでに自治体の憲法である自治基本条例の策定に「政策マーケティング」を導入し、おいらせ町民が条例をつくった例もあります。

権利条約がすべての障害者の夢となるように願う。

我々の事を我々抜きに決めるな!のスローガンを裏切ってはいけない

恩恵より権利、保護より自立、のスローガンを忘れてはいけない

政策統計(政策マーケティング)による、我々全員の意見を権利条約へ!!!

<イメージ図>

http://kirihara1234.hp.infoseek.co.jp/comonzu.html

関連ページ

http://members.goo.ne.jp/home/k_naoyuki2

上記の目的でアンケート調査も予定しています。(略)


心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク

パンフレット紹介

★「改めて予防拘禁法を問う」内田博文さん講演録

A5判 18ページ、1冊100円(送料80円)

いやしくも国権を持って人を拘禁するに際して、なんら根拠のない「危険性」を持って精神障害者を拘禁する医療観察法の違憲性、措置入院制度の違憲性の疑い、を鋭く突いている講演でした。罪刑法定主義という武器を磨きこれら権力の暴走に抗していくために、明白な根拠を整理してお話いただきました。

★「閉じ込めないでもうこれ以上」

医療観察法についてのイラスト万歳わかりやすいパンフレットです。

B5判16ページ(本文14ページ) 1冊200円送料無料


出版物紹介

★イチから出直せ!

問題てんこもり 障害者自立支援法

~地域の暮らし、あきらめない

定価1,000円+税 A5判 96頁

ISBN978-4-7592-6116-5 C0036

◆もくじ

●障害者自立支援法とは

●制定されるまで

●障害者自立支援法の問題点とその批判

●出直せ! 障害者自立支援法

●資料

これじゃ地域で暮らせない。

日本の福祉、後退させるな!

当事者の声を抜きに制定された障害者自立支援法の本格施行(2006年10月)により、障害者の暮らしは大きく揺らいでいる。施行後の障害者の深刻な暮らしの状況をふまえ、法の見直しに向けて、障害当事者の立場から法のさまざまな問題点をわかりやすく解説する。

【著者紹介】

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議 DPI(Disabled Peoples’ International)とは、1981年の国際障害者年を機に、身体、知的、精神など、障害の種別を超え活動する障害当事者団体として発足し、日本会議は1986年に設立。障害者が地域の中で当たり前に暮らせるノーマライゼーション社会の実現に向け、国際協力、政策提言、情報発信を担う。障害者自立支援法をはじめ障害者基本法、交通バリアフリー法の成立、改正で、障害当事者の立場からの論点形成を行う。また、2006年末に成立した障害者権利条約策定過程に参画。

今後は、国内の法整備を目指す。国内の加盟団体は58団体(2007年2月現在)。


運営委員会からのご報告

1 精神科病院施設内の「退院支援施設」新設問題について

政府は「精神病」者団体障害者団体その他専門職団体の反対にもかかわらず、4月1日に「退院支援施設」を施行し、また昨年10月には「地域移行型ホーム」を施行しました。これらは政府の失政による長期入院患者に対して地域での暮らしを保障する退院促進をではなく、単に病棟から敷地内の施設に入院患者を移動させることを持って、見かけ上の入院患者数を減らし、医療費を削減することを目的としたものです。

こうした国家犯罪を私たちは認めることはできません。すでに北海道や大阪で取り組みが始まっていますが、ぜひ各都道府県に向け「退院支援施設」を認めることなく、脱施設化、退院促進、さらに再入院防止に向けた有効な地域生活を支える仕組みを作り出すよう、要求していただけますようお願いいたします。この施設の指定は都道府県の権限です。

以下この間厚生労働省に対して交渉を継続している団体からの各都道府県知事への申し入れです。ご参考までに掲載いたします。

―――――

2007年6月14日

都道府県知事宛

NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会/全国「精神病」者集団/全国ピアサポートネットワーク/大阪精神障害者連絡会(ぼちぼちクラブ)/八王子精神障害者ピアサポートセンター/NPO法人こらーるたいとう/NPO法人DPI日本会議/全国自立生活センター協議会/障害者欠格条項をなくす会/きょうされん/NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会/東京都地域精神医療業務研究会/東京精神医療人権センター

(2007年6月14日現在連名団体)

「退院支援施設」を建設しないでください。そして本来の退院促進支援活動こそ推進してください。(要望書)

貴殿におかれましては、精神保健・福祉施策の充実にむけて邁進されておられること、敬意を表します。

私たちは障害者が地域社会であたりまえに暮らしていくことができることを実現するための取り組みを重ねてきた障害者・支援者団体です。

これまでの国の精神障害者に対する隔離収容政策が、世界に類を見ない数の精神科病床と長期に及ぶ「社会的入院」を生み出してきました。「社会的入院」を余儀なくされるということ自体、精神障害者の人権侵害に他なりません。

そうしたことから、各自治体での障害者計画の中でも、社会的入院の解消と精神障害者の地域移行は大きなテーマになっています。

ところが、厚生労働省は今年4月1日から精神障害者「退院支援施設」を施行に移しました。障害当事者はもとより、精神保健福祉従事者や支援団体等、多くの関係団体の反対を押し切っての実施となっています。

この「退院支援施設」構想は精神科病床の「看板の書きかえ」と見た目だけの「入院患者の減少」という「数字あわせ」にすぎません。「退院支援施設」構想を進めていくことは、社会的入院患者にとっては病棟転用の「退院支援施設」に移っても生活実態は全く変わらず、単に医療費が減り、その代わり自立支援法による福祉財源が賄うというだけのことです。

「退院支援施設」を認めることは精神科病院・施設内に移ることだけをもって「退院」とみなすということであり、一生を精神病院・施設内で終える人々がいるということです。このような人権侵害は断じて認めることはできません。それ故に私たち障害者・支援者団体は「退院支援施設」を撤回するよう粘り強い運動を展開してまいりました。「退院支援施設」は精神病棟と「退院支援施設」を患者さんは往復する仕組みではないかと危ぐされます。厚生労働省は私たちの危惧に対して「地域移行推進協議会を事業者に作らせる」としていますが、果たして自分の評価を事業所自らがおこなって質は担保できるのか、第三者性は担保できるのかと疑問です。委員も自分の事業所にとって都合の良い人を選ぶことができますし、市町村が入るにしても利用者全ての出身地域の市町村が入れるわけでもありません。

誤った精神医療行政のために人生を台無しにしてしまった人々が大勢います。日本は世界一の精神病床数~全世界に1,620,000床が存在しており、そのうちの340,000床がわが国に存在するという異常事態です。またその半数の病床が5年以上の長期入院者で占められています。誤った歴史を繰り返してはならないと思います。社会復帰促進のための本来の事業としての退院促進支援事業の拡充、居住支援系事業(グループホーム・ケアホーム)の増設や「居住サポート事業」の実施、さらに地域生活支援の継続性を担保する訪問系事業(ホームヘルパー派遣)等々を充実させ、社会的支援のインフラ整備、地域基盤の整備・確立に尽力されますよう強く要望させていただきます。

(要望事項)

1,「退院支援施設」を建設しないでください。そして退院支援施設は必要ないという見解を国に主張してください。

2,事業者から「退院支援施設」の指定申請があっても認めないで下さい。

3,本来の退院支援促進事業や介護保障、地域での住居、当事者活動への支援等、地域基盤整備こそ推進して下さい。

連絡先〒131-0033

墨田区向島3-2-1パークハイツ1階

NPO法人こらーるたいうとう

Eメールkoraru@mub.biglobe.ne.jp

2 死刑と厳罰化に反対する6月共同行動

以下の行動に全国「精神病」者集団として賛同しました。 東京と長勢法務大臣の地元富山で集会デモが行われました。

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長勢甚遠法務大臣は、昨年12月25日の4名の死刑囚への「クリスマス執行」に続き、4月27日に3名の死刑囚への執行を強行しました。

長勢大臣はその任期中に10名を執行しようとしていると伝えられます。私たちはこのかんの執行に抗議するとともに、更なる執行を絶対にやめるよう求めるものです。

昨年の「クリスマス執行」の際には、死刑確定者が100人に迫ろうとしていることへの法務省の危機感があるといわれていました。しかし、4人もの執行を強行しながら、死刑確定判決が相次ぐことにより、本年2月には100人をあっさり越えてしまいました。4月の執行時に102人となっていた死刑確定者は、3人を処刑したことで99人になりましたが、5月にはまた100人になりました。

死刑を執行すればするほど、死刑囚は増えていくかのようです。

死刑囚だけではありません。無期囚も増大しています。日本の刑事施設は過剰収容にあえいでいます。

これまでであれば死刑は控えられてきた事件についても死刑が適用されているように、有期刑だったろう人にも無期刑が適用され、微罪であっても実刑が科せられるようになっているのです。

このかん、政府・法務省はあらゆる領域において厳罰化を押し進めています。それを求める「世論」があるというのです。しかし「凶悪犯罪」が別に増加しているわけではありません。それは、マスコミ報道によって作られた「体感不安」なるものでしかなく、様々な思いや要望を持っているはずの犯罪被害者に対しても、ただ厳罰化によって応えようとしてきた結果です。

それを背景として、死刑判決が乱発され、無期懲役囚への仮釈放もほとんど認められることがなくなっています。日本は、死刑大国、監獄国家への道をひた走っています。

4月27日の執行は、ゴールデンウィークの前日という時期を見計らいつつ、異例の国会会期中の執行に踏み込んだものでした。国会開会中の執行は、 1993年3月26日に後藤田正晴元法相が執行を再開した以降では、2000年11月30日にもありましたが、それも閉会を翌日に控えていた日のことでした。今回は、執行が行われているまさにその時にも、衆議院法務委員会では、大臣出席のもと、問題の多い更生保護法案が強行採決されていたのです。

反対の声を無視し、力にものをいわせる政治がはびこっています。国会開会中の死刑執行は、国会運営のみならず、社会の隅々で少数者が抹殺されているこの国の醜い姿を如実に示しました。

厳罰の頂点である死刑は、人権の根幹たる生命を奪う残虐な刑罰であり、国家による「殺人」に他なりません。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させます。そして死刑事件にも必ず冤罪があることが、過去の免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されています。国際的にも死刑を採用しない国、地域は広がっており、死刑のない社会は当り前になっています。執行を実際に行っている国はもはやごく少数(2006年では25か国)なのです。日本の社会にとりわけ死刑が必要な理由はありません。

私たちは厳罰化と死刑制度に反対し、死刑執行の即時停止を求めます。

実行委員会:

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

(社)アムネスティ・インターナショナル日本

監獄人権センター(CPR)

「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク/東京拘置所のそばで死刑について考える会/ほか(個人)

連絡先:フォーラム90

東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付

3 障害者政策研究全国集会

昨年精神障害者部会にお誘いを受けたことをきっかけに、全国「精神病」者集団は実行委員会のメンバーとなりました。今年の12月の研究集会に向けて精神障害者部会としての取り組み内容、同時に集会全体に対して精神障害者として何を主張していくのか、他の分科会にも提案できるように、議論しています。

4 WNUSP・JDFおよび障害者人権条約をめぐって

全国「精神病」者集団は日本障害フォーラム(JDF)のオブザーバー団体ですが、障害者人権条約の問題について積極的に参加して、条約の国内履行に向け活動しています。6月13日は障害者権利条約推進議員連盟の主催の政府との意見交換会に出席し、今までの人権条約の中ではなじめて、政府から独立した国内監視機関が条文に明記されていることなどを主張し、政府の姿勢を問いました。署名にはまだ時間がかかるようですが、年内には、という感触を得ました。

12月10日は国連人権宣言の採択された国際人権デーです。各市町村都道府県では何らかのイベントが行われます。ぜひ各地で他障害団体とともに、国際人権デーに障害者人権条約をテーマと下も用紙を行うような取り組みをしていただきたいと考えます。

WNUSPとしては現在条文12条を中心に強制の廃絶に向けた理論的進化とパンフ作りの作業を進めています。5月にあった強制をテーマとした世界精神医学会に対しても、ドイツの国内組織、ヨーロッパ精神医療ユーザー・サバイバー・ネットワーク、マインドフリーダムとともに以下の共同声明を発表し、学会内外を通して私たちの主張をアピールしました。

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ドレスデン宣言

強制的精神医療に反対して

ドレスデン(ドイツ)2007年6月7日

精神科(元)ユーザー・サバイバー・ネットワーク(ネットワークのドイツの参加組織であるBundesverband Psychiatrie-Erfahrener(訳注 精神医療体験者協会連盟)をふくむ)は、姉妹組織の世界精神医療ユーザー・サバイバー・ネットワーク、および緊密に協働しているマインドフリーダム・インターナショナルとともに、2007年6月6日から8日にドイツドレスデンで開かれる、世界精神医学会(WPA)の「強制的精神医療 その包括的再検討」という会議に合わせ、強制と精神医療に対して私たちの共同の立場を明らかにするこの声明を発する。われわれ自身が強制的精神医療を体験し、そして私たち自身の生活と生命をそして私たちの会員、仲間友人の生活と生命を強制的精神医療が破壊してきたことを知っているがゆえに、われわれ組織はこの問題について語りうる唯一の立場に立っている。

私たちの組織は強制という行為に対してされた側の本人の存在を示していくために、WPAの会議に数カ国から代表を参加させる。精神医療によって強制を受けた人間として、われわれはこの種の強制に関して決定的な発言をする倫理的根拠を持つと確信している。

われわれは団結してあらゆる強制と強制的精神医療の実践の終結、そして精神医療に代わるオールタナティブの発展を呼びかける。

私たちはとりわけ最近国連総会で採択された「障害者人権条約」を取り上げる。この条約は精神保健体制を自ら体験した人権活動家の参加によって起草されたものである。すべての人々が平等に取り扱われるべきであること、そして誰一人として障害、病気、あるいは心身の不調というレッテルを根拠として自由を否定されるべきではないと考え、世界中の人々がそして人々の代表である政府が一切の留保なしにこの条約を批准すべきであるとわれわれは確信している。条約は障害に基づく差別なしに自由なインフォームドコンセントの権利を認識しているのであるから、われわれすべてが精神科医療を拒否する権利がある。さらに重要なことは、条約は、支援が必要な人に対しては意思決定を支援する強制的でない支援へのアクセスを提供することを政府に求め、他のものと平等に障害者に自らの決定を下す権利(法的能力)を保障していることである。

われわれは世界保健組織(WHO)がすべての非自発的電気ショック(電気痙攣療法=ECTとしても知られている)に反対の立場を明らかにしたことを記しておく。貧しい発展途上国においては麻酔なしで行われていることが多いことも含め、非自発的電気ショックは国際的に増加している。

WHOとヨーロッパ評議会は、また感情的苦痛を持つ人々に対して、烙印を押すことのないセルフヘルプの新たなアプローチの必要性についても宣言した。

精神医療を体験した人々の組織は強制よりむしろ平等と選択に基づいたセルフヘルププログラムの開発において指導力を発揮してきており、地域社会での暮らしへの統合に向けて人々へ援助し成果をあげてきた。私たちは、強制がリカバリーを不可能としていることを確信する一方で、人が、自由意志を持った人として尊重されるときにのみに癒しがありうること、そして倫理的アプローチに基づく、人を全体的に見つめ、リカバリーを支援する精神医療に代わるオールタナティブがある場合にのみ人は癒されることを私たちは確信している。

われわれは世界中のさまざまな国で強制的精神医療行為が増加していることを認識している。こうした強制医療行為の中には、自宅に暮らしていながら意思に反してあるいは自由を剥奪される中で向精神薬を服薬することを求める裁判所による治療命令も含まれている。こうした医療行為は、条約が位置づけた私たちの人権を侵害するものである。われわれは人権を支持するすべての人々に、われわれとともにそしてわれわれを支持し、強制的精神医療行為のない社会を求めていくことを呼びかける。そしてわれわれは自発的なセルフヘルプサービスとわれわれの人間性と尊厳を尊重した精神医療に代わるオールタナティブのために十分な資金と支援を呼びかける。

European Network of (ex-)Users and Survivors of Psychiatry (ENUSP)

World Network of Users and Survivors of Psychiatry (WNUSP)

MindFreedom International (MFI)

Bundesverband Psychiatrie-Erfahrener (BPE)

長野英子訳 原文は以下に掲載 http://www.enusp.org./dresden/dde.rtf


(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2007年5月号(号外)

2007年5月発行の「ニュース号外」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。なお、一部、省略している箇所や伏せ字にしている箇所があります。)

全国「精神病」者集団

ニュース(号外)

世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク(WNUSP)の障害者人権条約特集邦訳


= = = ごあいさつ = = =

過ごしやすい季節となりましたが、仲間の多くはこの季節特有の不調に苦しんであおられるようです。皆様いかがお過ごしでしょうか?

ニュース号外として、世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク(WNUSP)の障害者人権条約特集邦訳(長野英子)をお送りいたします。各地での障害者人権条約をめぐる学習の資料としてご活用いただけましたら幸いです。

英文ニュースをインターネット配信ご希望の方は以下からもお申し込みを

http://mail.oism.info/mailman/listinfo/wnusp-news_oism.info#use

WNUSPのサイト(英文)は以下に変更となりました。条約に関する国連特別委員会へのさまざまな資料が掲載されております。

http://www.wnusp.net/

各市町村都道府県では毎年12月の国際人権デーにさまざまな行事が行われます。今年はぜひ各地で障害者人権条約が取り上げられるように、行政に働きかけをしていただけたらと考えます。各地で草の根から他障害団体とともに障害者人権条約の批准と有効な国内履行、国内監視機関を求める声が上がることを願っています。

全国「精神病」者集団連絡先
★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒164-0011 東京都中野区中央2-39-3 絆社
E-mail  
(火曜日から金曜日午後2時から6時
留守電のときは下記携帯電話へ)
080-1036-3685(土日以外午後2時から午後5時まで)
ファックス03-3577-1680

世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークニュース

第1号 2007年2月

私たちの公式ニュースWNUSPニュース創刊号です。今回は国連で最近採択された条約、障害者人権条約(略称CRPD)を特集します。

主な内容は、精神障害者である私たちの生活に条約が与える影響についてのティナ・ミンコウィッツのインタビューです。ティナは、国連に設けられた特別委員会のさまざまな会議に私たちの代表として参加してきました。また彼女は国際障害コーカス(ICDInternational Disability Caucus障害者が参加する調整および討論提案などのための組織として条約の草案作りや交渉を行ってきました 編集者注)を代表して、条約の国連総会での採択にあたってもスピーチを行いました。これは、国連総会においては精神医療ユーザー・サバイバーが、その組織を代表しそして代表として位置づけられた上で行った歴史上初めての総会スピーチでした。

条約は2007年3月30日に国連に置いて各国政府の署名が始められ、国連本部においてもまた署名式にむけ準備している各国における国連機関においてもさまざまな活動が行われることでしょう。

ニュースの次の項目は、条約作成の過程に参加してきた、あるいはユーザー・サバイバー運動の立場からこの条約について各国政府に働きかけを積極的に行ってきた、世界各国からのさまざまなユーザー・サバイバーの声です。

条約本文(英文へのリンク)は以下です。

http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/convtexte.htm

(訳注 条約本文の邦訳は以下に掲載中です。コピーが必要な方は実費でお送りいたします。

http://www.normanet.ne.jp/~jdf/shiryo/convention/index.html)

さらに、条約について概観しとりわけユーザー・サバイバーに焦点化した同時発行の第2号もお読みください。


1 世界中の精神障害者への障害者人権条約がもたらす影響というのはいったいどういうものですか? この条約で精神障害者の現実の生活に変革がもたらされるでしょうか?

人権侵害によって傷つけられてきた私たちにとって、その人権侵害を賠償する始まりとなります。自分自身で選んだ支援を得たうえで尊厳をもって生きる権利を私たちは求めていますが、こうした要求を満たす約束をしているのが条約です。

条約は人権条約であり、それは各国政府を拘束することになります。そして国連の諸機関において私たちの人権を解釈するための基準となります。条約において新たな義務に政府として同意したことは広範囲にわたる影響を持つことになります。

最も重要なことは、他のものと平等に障害者に対して法的能力を認めることを条約が各国政府に義務付けたことです。これは精神障害者に関する法のやり方を 180度転換させるものです。なぜなら、法は自己決定能力がないと私たち精神障害者をみなしてきたがゆえに、法は私たちを保護するというよりはるかに抑圧する道具であり続けてきたからです。あらゆる局面において法による平等な保護を望むことがいまや可能となったのです。そして精神障害者であるとみなされるや否や自分の権利が奪われてしまうのでは、というおそれなしに、支援を求めることが可能となるのです。

2 障害者人権条約を実現するために世界各国政府はいかなる行動をとるのでしょうか? そしてそれに伴い何が実現するのか、についてあなたは楽天的ですか?

法的能力は法体系の多くの分野に影響する問題ですから、条約が満足する法体系に変えていくことは複雑な仕事となるでしょう。同時に、各国政府がしなければならないことは、個々人の求めに応じそして個々人の選択を尊重する良質な支援を、意思決定する際に支援を求める人に、保障していくためのプログラムの開発です。

条約の履行についての法制度や政策の開発において、そして障害者に影響する他の政策決定に関しては、各国政府は障害者団体と緊密に相談をすることが求められています。

条約を批准する前に法制度の変革が必要な国もあります。こうした国において最大の影響力行使を願うのであれば、批准の段階で自分たちの主張を持ってこの過程に参加していかなければならないでしょう。

ユーザー・サバイバー組織と協力した政府によって条約の履行過程が注意深く行われれば、私自身は非常に楽観的です。新たな領域に進む国も出てくるでしょうしそして法的無能力という概念なしに、支援された自己決定の体制を作り上げる国も出てくるでしょう。各地域で少なくともひとつの、よい実践的なモデルを作り上げることを私たちはめざすべきでしょう。

3 障害者人権条約の作成過程における、さまざまな政府の反応についてのあなたの印象を教えていただけませんか? 各国政府との連携を作り上げることはやさしかったですかそれとも困難でしたか?

すばらしい例外はあったものの、おおむね各国政府と連携していくことたやすいことではありませんでした。個別課題すべてについてとまでいえませんが、全過程を通して私たちさまざまな形で支持した政府が存在しました。条約12条の脚注の削除キャンペーンについては多くの政府のみならず各地からの世界的な障害者団体との全面的連携を作ることができました。

第8回特別委員会の最終段階で挿入された脚注はアラビア語、中国語そしてロシア語では「法的能力」という用語は「法的行為能力」ではなくて「法的権利能力」を意味するというものでした。これは世界の一定の地域においては障害者に対する差別を認めることになってしまうものでした。行為能力こそが私たち自身に自己決定の権利を与えるのですから、行為能力は法的能力の最も重要な部分です。この基本原則に基づいた同意によって、私たちは連携して条文からこの脚注を削除するという同意を最終的に取り付けることができました。条約をめぐる交渉の初期から、それなりに平等な法的能力を認める条項はありました。そして条文において支援された自己決定モデルを強化し、さらに平等な法的能力という条項を無意味にしてしまう後見人制度を支持する条項を書かせないために闘いつづけたのです。私たちは最終的にこの二つを勝ち取ることができました。そしてこうした非常に基本的に見えることを含めてひとつの事柄のすべての局面について明確に宣言することが重要であるという興味深い教訓を得ました。

4 障害種別を越えて作業するというのはどんな感じでしたか? 他障害のグループから支援を得られましたか? WNUSPに他のグループから今後も支援を得ることが可能と思いますか?

他障害のグループと共同作業することは、全体としての障害コミュニティの主張にとっても私たち自身の仕事においても両方において豊かな実りをもたらしたと考えています。

私たちは他障害のコミュニティによって開発されてきた、アクセスやインクルージョンあるいは障害の社会モデルという概念を使いこなせるようになりました。私たちの法的能力に関する作業の中でも、知的障害者とその支援者によって開発された支援された意思決定モデルが偶然にも私たちのアイデアに近いということを発見しました。理論的な立場と実践的な立場の両方からこのモデルをさらに開発していくことに、そして障害コミュニティ総体にとって中心的課題として法的能力と支援モデルを位置づけ発展させることに、私たちWNUSPは寄与したと考えます。最近の国際障害同盟(IDA 8つの国際的な障害者団体の集まりであり、WNUSPもその一員)の会議においてもいくつもの団体が、障害コミュニティ総体にとって重要な課題であるとして法的能力について触れていました。

国際的障害コミュニティのほうが国内の多くの障害コミュニティよりはるかに協力的な関係を持っています。WNUSPは国際障害同盟(IDA 8つの国際障害者団体の代表により構成されている)のメンバーであり、IDAは、条約の草案作成やその後の交渉過程において障害者の参加を調整する組織として活躍した国際障害コーカス(IDC)をつくりました。IDCは「私たちのことを私たち抜きにきめるな」という原則に基づいています。この原則は障害者が全体の要求として条約に影響力を持つべきであるとしたものであり、またそれぞれの団体の主張も尊重されるべきだということです。

5 障害者人権条約がついに特別委員会(国連総会の一時的な委員会で障害者権利条約について担当しその後議論することとなったもの 編注)で採択されたときのご感想は? その瞬間のあなたの思いや感じたことは?

脚注が削除されたとき、私たちは留保なしに支持できる文言を得ました。複雑な感情を持ちました、安心そして喜びと同時に苦い思いと不信も感じました。ジェットコースターに乗っていたような過去数年間の苦闘がやっと終わった。私は安心できるだろうか? この過程は私たちすべてにとって厳しいものでした。そしてよい条約が存在する新たな世界に私が適応するのにもう少し時間がかかると思います。

あなたがこのインタビューでたずねているこの条約の影響を本当に評価するためには理論的な視点から実践的な視点への転換が必要です。さらに法的同意というゴールから日常生活の現実を変えるというゴールへ、このゴールは今まで以上に達成可能となりましたが、このゴールの変換もまた必要です。私は自分が生きているうちには起こることはあるまいと考えてきたのですが、今や私はこうした変化がおきるということを想像できるのです。

6 障害者人権条約を尊重するという意味で、あなたの次の段階そして行動はなんでしょうか?

アメリカ合衆国の市民として、アメリカが条約を批准しそうもないということを自覚しています。したがってアメリカでは国内履行過程に直接参加することなしに、私たちのゴールに向けてとりくむやり方を見つけなければなりません。

強制精神医療も含めてアメリカにおいてさまざまな人権問題とかかわる枠組みとして「非暴力」を求めていくという仕事をしていきたいというアイデアがあります。人の意思に反して行われる行為としての強制精神医療は対立と争いのあらわれです。そしてこの対立と争いは家族や地域社会において、利害や要請が対立し競合するところから生まれるのが通常です。こうした対立と争いに対して非暴力的な解決として私たちが取り上げるべきものはいったい何なのか? セイフティネットを提供すること、対立と争いの拡大を防ぐこと、こうしたことのために支援体制はいかなる役割を果たすべきでしょうか? なにかしら意識の向上に寄与できたら、というのが、今興味があり自分でもしたいということです。テロリズムへの集団的懲罰として、「貧乏人との戦争」と同時に外国への侵略が拡大している国において、私たちの声に耳を傾けさせうる枠組みとしては、非差別というよりむしろ非暴力という枠組みしかないでしょう。今政府の方針を変えることはできないところに追いやられており、こうした集団的懲罰に悩まされ続けている市民の数は増え続けているのです。

国際的には私は精神医療ユーザー・サバイバーを国際的に代表している組織であり、また精神障害者の問題において人権を専門とする指導的組織でもある、WNUSPをさらに成長させていくために活動し続けます。WNUSPは会員のそれぞれの国内における条約の履行の仕事を支援する任務があります。そして国連機関、国際的障害運動さらに人権関係の運動においてわれわれの主張をし続ける任務があります。われわれは条約の履行については全体的な展望をもってみていく必要があります。それはたとえば意識の向上、モデルプログラムや法制度の開発などを含みます。これらの活動の中で、私たちの知識を共有したり、私たちの主張を展開する人たちや各国政府に共有できる基盤となる情報を提供することができるようになります。

7 この条約の各条項で、精神障害者にとっての最大の成果は何でしょうか? あるいは最大の失ったものは何でしょうか?

生活や人生のすべての局面において他のものと平等な法的能力を12条は障害者に保障しています。精神障害者にとっての最も重要な成果はこの条文です。なぜならこの条文は、差別に対して、その根源から対立する条文だからです。12条の前提は、障害者は他の人と同じ権利を持つということです。この権利とは他の人同様に過ちを犯す権利、自分自身の人格、自分自身の望み自分自身の限界を基盤として、生きそして成長するという権利です。平等な法的能力の支援モデルは、時に支援が必要なことを認めたとしても支援はその個人の意思に反してはならないことを認識しています。私たちの運動は常に「強制ならそれは治療ではない」と主張し続けてきました。

25条のd項は他のものと平等に自由なインフォームドコンセントを基盤として保健ケアが提供されねばならないとしています。この条文は私たちが治療を受け入れるあるいは拒否する際の自己決定の権利の尊重を強化します。政府は、障害を理由とした差別は許されない、同意のない治療を防止する義務を持つのです。

19条は他のものと平等に、選択によって地域で暮らす権利そしていかなるかたちであれ特定の生活様式や施設の中で生きることを強いられない権利を確立しています。行き場がないために施設で暮らしている、あるいは強制的に施設収容されている何千もの精神障害者の脱施設化を命じています。政府は地域社会で支援が得られるようにせねばならず、また障害者の地域生活の権利を実現する有効な方策を採らなければなりません

14条は他のものと平等な自由の権利を保障しています。そして自由の剥奪については非差別と合理的配慮を保障しています。このことは精神医療におけるあらゆる形態の拘禁の終末への基盤と刑事司法体制下に置かれた精神障害者に非差別の視点から問題指摘する基盤を与えてくれています。

17条は他のものと平等な身体的精神的インテグリティを尊重される権利を障害者に対して確立しています。インテグリティは精神医療ユーザー・サバイバーと他の障害者にとっては、非常に強い感動をもたらします。そして私たちはこの条文を15条の拷問からの自由とともに、強制的精神医療と有害な実験的治療に異議申し立てするために使うことができます。

8 障害者人権条約は先進的な中身であると誰もが言っていますが、あなたも同意しますか?

条約は先進的です。なぜなら今ある現実を乗り越えて、よりよいものへ向かって努力することを条約が各国政府に求めているからです。その中には法的能力の分野のようにいかなる政府によってもよい実践モデルがいまだ出されていないといった分野もあるのです。私たちは市民団体(精神医療ユーザー・サバイバーと知的障害者から)から生まれた支援された意思決定というモデルそして法制度、政策そしてプログラムにおける必要な変革を作り出すための取り組みもしています。WNUPはこの支援された意思決定というアプローチを強く主張しましたし、成功したことを大変喜んでいます。

9 条約作成過程におけるWNUSPがどんな役割を果たしたか説明してください。

2002 年メキシコ政府が招集した専門家の前段会議のときから、最初の特別委員会に向けて準備しており、WNUSPは条約の発展作成過程のすべての局面に参加しました。私たちはジェネラリストとしてもスペシャリストとしても評価を勝ち取りました。つまり法的能力の主張という差別の基盤を破壊する作業と同様に、たくさんの個別の条文についてそして条約全体を概観するのについて貢献していました。私たちの主張した文言は、精神医療ユーザー・サバイバーに関する条文だけではなくてすべての条文を通し、各草案に多く採用されました。

WNUSPは国際障害コーカス(IDC)を作り上げることに参加し、IDCが単なる手続き的調整機関であったところから、それぞれの専門分野に関連した作業の多様な局面を調整する、多様なリーダーたちとともに、IDCが条約に関する障害コミュニティの有効なスポークスマンとして活動できるところにまで発展する過程にも参加してきました。

障害者が前進し自らの人権を定義することを認めさせてきた過程をWNUSPは上手に利用できました。出発した時点では私たちはどうなることかまるでわかりませんでしたが、私たちが最も深くかかわる課題を問題化し可能な限り獲得するという原則を確信していました。最終的には期待していた以上の成功を勝ち取りました。

WNUSPは特別委員会に世界中のすべての地域から人を送り込みました。その仲間たちは今条約の履行段階における権利主張の中心に位置しています。私たちはあらゆる種類の経験をまとめ上げました。それらは人権主張そして法律の専門的な知識から、支援プログラムや精神保健体制へのオールタナティブの創造に至るまでの経験です。私たちはIDCの仲間と一緒に、特別委員会の会議中はもちろんその委員会の間も休みなく働き続けました。私たちは各国政府へのロビーイングのやり方を時には試行錯誤を重ねながら学びました。私たちの中には政府代表断の一員もおり、その人は私たちに情報を与え続け内側から交渉を続けるというかたちで私たちの活動に多大な役割を果たしました。

出席している人の多数にとっては異議があり論争を呼ぶとしかみなされない事柄を提起し続けながら、政府間の交渉過程について経験がほとんどないものが集まった集団であるにもかかわらず、総じて、私たちは驚くべき成果を挙げたといえます。私たちは連帯を強め、そして精神医療ユーザー・サバイバーの人権について各国政府や障害者を教育し、また私たち自身の主張により大きな焦点を当てさせました。この過程は生み出された条約同様に私たちの運動に大きな前進をもたらしたのです。

10 世界の精神障害者にどういう行動を呼びかけますか?条約は私たちに挑戦すべき課題を与えています。他人に条約をいかに解釈適用されるべきか定義するのを見過ごしていいのでしょうか? それとも私たち自身が批准や履行の段階において、条約の作成過程でしたように闘うべきでしょうか?

誰もが何らかの貢献ができます。あなた自身の体験を意識向上のために話し始めてください。マスコミやあるいは文化的プログラムと共同作業をしてください。政府の中に同調してくれる味方を見つけてください。仕事を求めてください。あなた自身の知識を他の人と一緒に動かし分かち合う支援プログラムを作り出してください。新しい法を定め古い法を変えるか廃止することを手伝ってください。私たちこうした過程についてたくさんのことを学ばなければなりません。でも私たちは成し遂げられます。私たちは狂っていることを誇りにしているサバイバーであり抵抗者なのです。


世界の仲間から

「今現在精神障害者に押し付けられている無能力・無資格というステレオタイプな偏見を打ち破るのに大変な努力をして、条約は要約すべての障害者に完全な法的能力を認めた。そして現実社会で変化が生まれる以前に、想像と理念の世界で変革がおきなければならない。条約は想像の世界を再構築するために大きな支援となるだろう」

Amita Dhanda, India アミタ・ダンダ インド

「私は精神医療における強制に抵抗するために使いこなせるに十分な強い、(少なくとも今までにあった何よりもずっと強い)道具として条約に期待している。正しく履行されるならば、ユーザー・サバイバーと「精神保健体制」の力関係の歴史的不平等は破壊され、ユーザー・サバイバーは個人としても私たちの組織としても平等に力をつけていくことになるだろう。はるかによい世界へのビジョンが適切な履行により少し近づいてきている。そのためには私たちの運動が地域でも国際的にも成長し、体験を分かち合い学びあい、今まで行ってきた以上にもっと意識的な方法で社会変革に参加していくことが求められている」

Gabor Gombos, Hungary ガバー・ガボス ハンガリー

「何より重要なのは条約が後見人や非自発的治療を人権の文脈においたということである。この障害者人権条約が国連の人権憲章のひとつとされることで、このことが人権と尊厳の普遍的で高い水準の基準としてなされたことが重要である。世界中のさまざまな国で私たちの闘いにおいて道具としてそして参考にして触れるものとして条約が使えるということを国連条約となったということは意味しているのだ。私たちは後見人と非自発的治療についての国内法を変えていくにはまだまだ長い道のりを必要としている。しかし条約はこの方向への非常に重要なステップである」

Maths Jesperson, Sweden マース・ジェスパーソン スエーデン

「条約は勝利であり、世界中の精神障害者の人権を主張し保護してきたユーザー・サバイバーコミュニティーの長い苦闘の末の勝利であると考える。障害者の人権条約は他の下と平等に身体的精神的インテグリティの尊重と保護の権利をすべての障害者が持つとしている(17条)。自己決定の重要性と自分で自分自身の選択をする自由はもはや否定されることはない。次の段階は条約を精神障害者が自分自身の福利を支援するためにそして社会の平等な一員として生きるために、精神障害者とともに支援し共同作業することだと考える」

Celia Brown, USA セリア・ブラウン アメリカ

「精神障害者の人権を保護し促進する私たちの厳しい闘いにおいて新たな基盤を条約は活動家に提供している。私たちはいまや障害に基づくすべての差別を禁止する国際的人権法を手にしたのだ。この条約は私たち自身の選択をする権利も含んだ、私たち個人それぞれの自律を尊重すると断言している。条約は他のものと平等な法的能力の権利を認め、そして私たちが法的能力を行使するために必要な支援を認めている。条約はわれわれの自由への権利そして拷問、残酷で非人道的そして品位をおとしめる処遇からの自由の権利を他のものと平等に認めている。条約は私たちの身体的精神的インテグリティの尊重を他のものと平等に宣言しており、私たちがどこに住むか選択する権利を宣言し、そして特定の生活形態や施設に住む義務を否定している。さらに自由なインフォームドコンセントを基盤とした医療への権利を宣言している。私たちは他障害の人権活動家との連携を今まで以上に強固に作り上げ、世界中でこれらの条約の言葉を紙の上から現実のものへと変えていく闘いを共にするユーザー・サバイバー運動に指導者を育てていく」

Myra Kovary, USA マイラ・コバリー アメリカ

「ユーザー・サバイバーの努力によって、私たちに障害者の権利と尊厳をもたらす世界の法的枠組みを与える条約として生まれた。私たちは今や私たち自身の国で条約を有効にしていく責任がある。私たちはサバイバー(生還者)である!」

Elena Chavez, Peru エレナ・シャヴェッツ ペルー

「『ピープルファースト私たちはまず人間だ』がいまや条約により実現した。私たちはすべて人間であり、そして他の人と平等な人権を持っている。条約は強制のない、今ある世界に代わる世界を実現していくだろう。条約をつかってそして国内法体系を作り上げることで、私たちは差別と戦い、私たちの求める支援を得て地域で暮らし社会に平等に参加していく。私たちのことを私たち抜きに決めるな!」

Mari Yamamoto, Japan 山本眞理 日本

「精神障害者とレッテルを張られた人々をどのようにとらえ、そして処遇するかのやり方を再検討し始めるために、感激的な機会を国連条約は世界にもたらした。私たちにとっては継続的な何が役立ち(そして何が役立たないか)についての建設的討論を始めるときがきたのだ。そして私たちのエネルギー、そしてさまざまな社会資源を、研究をそして実践を強制的でないオールタナティブを開発するために集中していく時が来た。このオールタナティブは安全と危険、排除そして福祉の最小化というのではなくて、能力、インクルージョン、と可能性に焦点化したものである。このオールタナティブは政府や地域社会にコスト削減を約束するだけではなく、さらに私たちすべてのより広く包摂することを意図した地域社会を作り上げる可能性がある。」

Chris Hansen, New Zealand クリス・ハンセン ニュージーランド

「アイルランドでは、条約に書かれているように国内の法への影響を私たちは今調査研究している。すくなくともユーザーとして私たちに押されている烙印を削除する文書をついに私たちは獲得しただろうか? 条約は私たちが他の市民と違った取り扱いを受けるこうした烙印を削除するだろうか? なぜなら私たちは「違っているだけ」だから、これらの烙印を削除できるだろうか? 私たちはそう願う。条約が批准されたとき、私たちは平等な市民としての私たちの憲法上の人権を確立するために、妥協することのない闘いを組織することができる。」

John McCarthy, Ireland ジョン・マカシー アイルランド

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Moosa Salie, ムーサ・サリー

WNUSPニュース編集 WNUSP共同議長

アフリカユーザー・サバイバーネットワーク事務局


世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークニュース

第2号 2007年2月

WNUSP第2号です。第1号と一緒にお届けします。ここでは精神医療ユーザー・サバイバーにとって重要な点を、条約全体を見通して概観します。この解説はWNUSP共同議長のティナ・ミンコウィッツによるものです。国内そして草の根の組織で条約を議論し始める会員の皆様に役立つ参考資料となることを願います。

条約本文(英文)へのリンクは以下

http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/convtexte.htm

障害者の人権条約精神医療ユーザー・サバイバーへの情報

障害者人権条約の下で、精神医療ユーザー・サバイバーは完全で平等な市民として扱われなければなりません。分離され不平等な「精神科の患者としての人権」という歴史はついに終わったのです。

政府は強制的な精神保健法とその運用を廃絶しなければなりません。そして自己決定を支援し尊重し、個々人それぞれが定める、それぞれが求める福利を求めるニーズに対応した個人に奉仕するサービスを政府は提供しなければなりません。狂っているものあるいは精神保健上の問題を抱えているものは合理的配慮と支援を求めています。そしてまた強制的な投薬や電気ショック、身体拘束や隔離室監禁、あるいは施設に拘禁されることなどを含んだ、あらゆる形態の暴力と虐待からの解放されることを求めています。

精神障害者は社会の一員です。このことは精神保健専門職だけではなく社会総体が責任を持つことです。そうして精神障害者はわたしたちの地域社会の一員となることができ、また回復(リカバリー)を体験できるのです。伝統的そして先住民の癒しの方法は近代精神医学や精神保健体制よりもずっと包括的なものであることがよくあります。こうした癒しの方法を私たちは支持し学んでいかなければなりません。

平等な権利と伴い精神障害者には平等な責任があり、誤った行為に対して責任をとることから逃れることはできません。もし私たちが責任を取るのに援助が必要ならば、そうした援助こそが提供されなければなりません。

以下が精神医療ユーザー・サバイバーの完全なインクルージョンと平等を支持し、私たちの自由と自己決定を制限するほうの削除を支持する条約の条項の要約です。

第1条は条約の目的の条項です。ここではすべての障害者にたいしてすべての人権と基本的自由を平等に保障しています。

第3条は条約の原則についてです。この条文は以下を含んでいます。

・自己選択の自由を含む個人の自律

・人としての多様性の一部である障害の尊重

・非差別

第4条は差別なく、すべての人権と基本的自由を障害者に保障しています。そして締約国に対しては国内法とその運用をこの条約に適応するようかえることを求めています。

第5条は障害に基づく差別を禁止し、法による平等な利益と保護を保障しています。さらに合理的配慮の提供も要求しています。

第6条は障害を持つ女性と少女について重複した差別に対して、この条約の人権と基本的自由を保障しています。

第7条は障害のある子供について彼らに関する事柄については彼ら自身の意見が考慮されなければならず、またそうした意見も含め表現の自由の権利を含む、他の子供たちと同じ権利が保障されています。

第8条は意識向上についてで、家庭内地域社会を含めすべての段階の社会において、障害者の人権尊重について促進することを政府に求め、偏見と有害な行為と闘うことを政府に求めています。

第12条は法の前で平等な人としてみなされることを宣言しています。また権利と決定を行う法的能力を保障し、さらに本人自身の意思と選択好みを尊重した意思決定をすることへの支援を保障しています。

第14条は他のものとの平等を基盤とした自由と安全について保障しています。さらに、自由を法により剥奪される障害者に対しては、合理的配慮と平等な人権を保障し、さらに非差別の手続き(たとえば刑法において)を保障しています。

第15条は拷問と残酷で非人道的あるいは品位を貶める処遇および罰を禁止しています。これには障害者に対して行われる同意なしの医学実験も含まれています。

第16条は搾取、暴力そして虐待の禁止を宣言しています。障害者に役立つ監視プログラムを計画すること、法的に正当な場合はこれら禁止されたことを訴追すること、そして被害者のリカバリーと再統合への手段が、政府に求められています。

第17条は他のものとの平等を基盤として身体的精神的なインテグリティを保障しています。

第18条は移動の自由と居住の自由を保障しています。これは国籍の権利とたとえば出入国管理の続きの過程を利用する権利です。

第19条は他のものと平等に選択に基づき地域で暮らす権利を保障しています。これはどこに誰と住むかの選択、人の生活と選択を支援するサービスを入手の保障も含んでいます。

第23条は家族、親であること、結婚その他の関係を結ぶことを平等に保障しています。そして親権については親や子供の障害に基づいて奪われないことを保障しています。

第24条はすべての段階での統合教育の権利を保障しています。そしてすべての子供が、障害を理由として一般教育から排除されてはならないことを保障しています。

第25条は保健ケアとサービスにおいて平等を保障しています。これには自由なインフォームドコンセントの要求も含まれています。

第26条は障害者が全的完全な範囲で自らの才能を開発することができる手段を求めています。この手段の中にはピアサポートも含まれています。

第27条は職業と雇用に関して、非差別と合理的配慮を保障しています。また障害者に対して一般の労働市場がインクルーシブであることを確保するためにまた雇用の機会を拡大するために、差別をなくすための積極的方策も要求しています。

第28条は適切な生活水準と福祉と貧困をなくすプログラムを利用することを保障しています。そして貧困状態で生活している人に対してレスパイトケアも含め障害にかかわる費用を援助することも保障しています。

第29条は政治的肯定活動への参加を保障しています。これには障害者の投票権および被選挙権も含まれます。

第30条は文化活動への参加の権利を保障しています。そして個人の創造的知的潜在能力を活用することを保障し、自らの文化的アイデンティティを尊重され支援される権利を障害者に保障しています。

精神医療ユーザー・サバイバーそして私たちを代表する組織はこの条約によって以下の権利を強化されます。

第4条は条約の履行および障害者にかかわるすべての事柄について密接に障害者団体に相談することを政府に義務付けています。

第33条は政府に対して、国内において、独立した条約の履行と監視機関を作ることを求めています。監視機能は国内人権機関によってでもあるいは国内人権機関の要件を満たす独立した機関によってでも行えます。ただしこの要件はとりわけ政治的組織、すなわち政府などから独立していることが求めています。障害者団体はこの監視過程に完全に参加関与しなければなりません。

第34条から39条までと選択議定書はこの条約を監視する国際委員会の創設と責務を取り扱います。政府はこの委員会委員の候補者推薦をするように奨励されています。政府は委員会に報告をしなければならず、これらの報告を準備するに際しては障害者団体に相談しなければなりません。政府がこの選択議定書を批准すれば、人権を侵害された障害者はこの委員会に訴えることができます。委員会はまた「重大で組織的な」人権侵害については調査する権限を持ちます。この調査はもし選択議定書をその国が批准していれば、当該国を訪問したりすることも含まれます。

第32条は各国政府に対して、条約の目的を実現するために国際的な協力を拡大し行うことを求めています。そしてこの国際協力は障害者団体との連携の下になされうるのです。

第40条はこの条約の履行に関するとみなされることに関して、締約国間の会議を定めています。これは人権条約については新しい特徴で、障害者団体も含めた市民団体と政府によって情報と能力構築の定期的交換を促進することとなります。

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moosa_salie@absamail.co.za Moosa Salie, ムーサ・サリー

WNUSPニュース編集 WNUSP共同議長

(以上邦訳は長野英子、英語原文は以下からPDFファイルをダウンロード)

http://www.enusp.org/news.htm

その他邦訳資料は以下長野英子のサイトの障害者人権条約資料

http://nagano.dee.cc/convention.htm


支援された意思決定へのパラダイムシフト

WNUSP共同議長ティナ・ミンコウッツ

支援のパラダイムとは何か?

●後見人や代理による意思決定のオールタナティブ

●障害者の排除ではなくインクルージョンを基礎とした法的能力へのアプローチであり、単一のモデルではない

●すべての人は意思をもち選択する能力がある。(脚注1)

●自律は相互依存的関係と共存しうる(脚注2)

"支援された意思決定は共同のそして相互依存的な自己決定の過程に法的な承認を与える

支援と法的能力

●障害の社会モデルは、問題は個人の中にあるのではなく、その個人が機能しうるようなやり方で対応しない社会にこそ問題があるとしている。この社会モデルは法的能力の問題にも適用される。個人に問題があるから、強制的介入や後見人で対応されるべきとされるように、個人のうちに問題があるのではない。そうではなくて本人の法的能力減失に関して強制的介入や後見人ではない別の方法で社会が対応しなければならないのだ。(脚注2)

●"支援された意思決定はひとつの例である。自己の希望を表現したり伝えたりすることに「困難」があるとすれば、解決方法は後見人ではない、何を望んでいるか表現し伝えることができる関係性と方法を開発することである。(脚注2)

支援はどのように機能するのか?

●支援は信頼関係を基盤とする

たとえ言語を使えない人であっても、本人は信頼関係を作り上げることはできる。

●支援は単純なのか複雑なのか? 商取引だけなのかそれとももっと包括的なものも対象とするのか?

契約にサインするときのあるいは医療ケアの決定をするときなどにおいて情報提供やコミュニケーション援助は支援の一形態である。

●本人自身の決定のスタイルや過程を忍耐強く尊重することが求められる。

ニーズの高い人への支援

●"人がしゃべらないあるいは言語以外の表現もしない場合、感情と希望をあらわすさまざまな方法がある"

●"支援提供者は、好き嫌いを示すサインに非常に注意深くなければならない"

●"支援提供者が障害を持つ個人の意思を踏みにじることが決してないように、セイフガードが確保されなければならない"(脚注3)

平等な法的能力

●障害者人権条約は障害者に生活のすべての分野における平等な法的能力を保障している(12条の2)

●後見人制度から障害者を解放し、支援パラダイムの完全な履行の方法を準備すること

●支援パラダイムは平等な法的能力の基準を履行する方法のひとつである。

●障害者は他のものと平等に法的能力を行使する権利がある。たとえば、法廷で権利主張すること、契約を結ぶこと結婚すること、医療や他のサービスに同意したり拒否したりすること、投票することなど

上記のような行為をする資格を、障害を根拠としてみとめない趣旨のいかなる法律も無効である

たとえば自由で十分に情報を与えられた上での同意の権利を侵害している精神保健法

●法的能力の行使が求められる場合は、関連する制度は障害者へのアクセシビリティの確保の義務および支援された意思決定への配慮義務がある。

●法的に能力を認めら得ることは個人の生活および障害者全体にとって広い影響がある。

個人的関係や仕事をも含むすべての生活分野において平等を促進する

選択の能力を確信することによって個人の発展を可能とする

●平等な法的能力の認知が社会的連帯の放棄を認めないことを、支援は保障する。

法的能力はそれのみで充足するという幻想とは両立しない

相互依存性に関する対話は社会総体の問題として行われなければならない。

搾取を避けるためにはより論理的で人道的なアプローチが求められている

後見人制度は上記の目的のためには役に立ってこなかったし、犠牲者を非難する結果を引き起こしている

●能力がある/無能力という二者択一のモデルに代わって、支援への伸縮のきくものさし

権利と自由を失う危険なしの、流動的ニーズにこたえられる

支援体制は完全に機能するというわけではないが、権限乱用に対するセイフガード足りうる

仮に支援の失敗があったとしても、法的無能力とされた人を分離したカテゴリーを作り出すことにて、失敗が制度化されることはない

●法的能力は社会適法的に構築されたものであり、個人に帰するものではない(脚注4)

●法的能力は法的権利と責任を持ったひととして認識することにかかわる。つまり自分で権利と責任を行使することを認められた人(権利能力プラス行為能力を持つ人)、として個人を認知するのだ。

●認識・知覚・身体的能力、コミュニケーションや関係を作る能力によって構築される法的能力は、障害に基づいた差別となる。

●支援パラダイムは与えられた法体系において自己決定者として、能力鑑定とはかかわりなく法的能力を構築する。

●性差別撤廃条約15条は法的能力について初めて明白に述べている

女性と男性間の平等を保障 障害を持つ女性に適用 性差別撤廃条約委員会は15条のもとで、欠格を認める法律とともに、女性の法的能力行使の障害となる経済的社会的要素についても宣言している

このことは障害者人権条約の下でも同様の懸念として取り上げられるべきである

たとえば、第三者が障害者を意思決定者として受け入れることを躊躇することなど

●法の前でいかなる場合も人として認知される(世界人権宣言6条と自由権規約16条)

●障害者権利条約12条は子供の法的能力の発展を示唆している

障害を持つ子供への適用と、障害者人権条約7条3項および3条(h)を再確認する

関連する人権と価値

●自立生活運動

"自律は自力でそこに行くことを意味するのではなく、私自身がどこに行くかを決めることを意味している"

●人権の枠組みの相互補完性

すべての人権の相互関係性

経済的、社会的そして文化的権利の実現は自由な自己の発展に必要である(世界人権宣言22条)

●フェミニズムと女性の人権

関係性の平等は自律と相互の同意による

自己決定

●"決定権をすべて失ったとみなされる代わりに、私が何を求めているか決めることを認められ、個人として尊重された"(脚注5)

●"支援についての私の理解は私の言うことを私の支援者がきちんと聞くこと。支援者が私のことを理解するために時間をさき、私の選択を私が理解することを手伝ってくれること。そうすることで支援者は私自身の望みを満たすことを援助する。"(脚注5)

自己表現

●"あらゆる道具や手段を準備してすら、チャーリー(訳注:愚か者)は一人では自分の選択を表現できない。私たちは常に彼が何を望んでいるかわかるわけではない。決定は常にかんぺきではない。しかし彼がどこに住むか、彼が何をしたいかの決定をなすに当たって私たちは彼を支援することを一緒にすることはできる"(脚注5)

責任

●"自分で何の責任も持たないほうがたやすいかもしれません。でも私たちそれぞれは自由を求め、独立と自己決定を望んでいると確信しています。私たちの魂は誇りと自由を求めているのです"(脚注5)

解放

●"何年間も、彼らをよく知っている人たちですら、彼らが自分自身でいかなる決定もできないと信じていた。私たちは彼らに安全な環境において本物の人として向き合い彼らに話しかけ始めた。驚くべき結果が生まれた。私と一緒に施設にいた人々、自分自身の決定をいまだかつてしたことがなかったことを私が知っている人々が、いまや、自分たちは何を好むかについて話している。彼らは自分たちが何を好まないかについても話している。彼らは彼ら自身の声を発見した。たとえかれらの多くがコミュニケーションに言語を使わないとしても"(脚注5)

支援の例

●家族と友人の支援ネットワーク

●パーソナルオンブズパーソン(PO-スコーネ)

●地域社会の責任

●パーソナルアシスタンス

●ピアサポート

●事前の計画作り

●個々人を補完する支援

情報そしてコミュニケーション、行政および法体系、あらゆる種類のサービスへのアクセシビリティ手段

家族を基盤としたネットワーク

●家族は成員の一人をめぐる支援ネットワークを作り出せる(脚注6)

●家族は有給のスタッフよりもボランティアの優位を信じること

●家族は宗教的共同体のようなより広い共同体から支援を引き出せる

●家族は高い水準の支援ニーズのある人々への支援を開発してきた

●ネットワークは以下の点で有利である。すなわちさまざまな種類のケアをする個人を巻き込むことで、本人の望みを通訳することを唯一の人に頼ってしまう事態を最小化できる。

●ネットワークは支援された自己決定に特化される。人は他の目的については他の支援者を持つことになる。

●ネットワークは緊密な信頼関係を基盤としており、そこにおいて人は安全で効果的に自分の望みを表現できる。

●例 しゃべらずに車椅子を利用している若い男性の支援ネットワークは家に帰るたびに彼がドアに近づくことに気づいた。彼の支援ネットワークは彼が自分自身のアパートの部屋がほしいということを理解した、そして彼に部屋が持てるよう支援を始めた。

本人にとっては一人で部屋を借りることは経済的に無理だったので、彼らはルームメイト候補を彼に紹介した。しかし一人はテレビでオペラを見るのが大好きで一方はこれが大嫌いだったので、うまくはいかなかった。私が聞いたときには、このルームメイト探しは続いていた。

パーソナルオンブズパーソン(PO-スコーネ)

●精神障害者で高い支援ニーズを持つものに合わせて開発された

"完全に彼ら自身の象徴的な世界に住んでおり、自分のアパートの部屋に立てこもって暮らしていたり、路上で野宿して暮らしている"人たち

●人が要求するまでは一切行動できない

●接触し、コミュニケーションをとり、関係性を作り上げ、最初は対話から始まり委任を取るという、関係性モデルに基づき、機能する

●精神医療ユーザー・サバイバー組織によって実行されているサービス

●スエーデン政府によって予算がつけられている

●POの任務はサービスを望む人からの「委任」を取る。

記録は一切つけられず、すべての書類はクライエントが所持する

事務所はなく、官僚的な署名を求める書類もない

●POは権利擁護の技術をもつとともに、あらゆる関心事心配事についてかたることができなければならない

もっとも執拗な心配事や関心事は実際的なことというよりもむしろ関係性あるいは実存的な事柄であることが多い

・「なぜ私は生きていなければならないのか? なぜ私の人生は精神科の患者の人生となってしまったのか? 変化の望みはあるのか?」

●このサービスは10年間成功裡に続けられている。

●人は自分の権利を主張した以上はそれに答えなければならないので、初期の費用は増加する

●人々がもはやPOを必要としなくなるので最終的なコストは低減する

●「支援された意思決定」すなわち行政当局、精神医療、家族そしてサービス体制から独立し、POは人を無力にすることに対抗して、要求を表現し、他人に支配されることなしにあるいはわずらわしい条件を押し付けられることなしに支援を受けることを人に認める

地域社会の責任

●地域社会の絆が強いところでは適切な手段

●すべての成員の福利に地域社会が責任を取るべきであり、また障害者の支援に向け連帯を広げるべき

障害者が平等なパートナーであることそして障害者が実際に使っている生きるためのノウハウが尊重されること、この二つが確保されることが必要

●こうした地域社会の任務は中央政府によって予算がつけられなければならない

パーソナルアシスタンス

●パーソナルアシスタンスは支援された意思決定のために利用できる

たとえば、言語や字を書くことに障害がある人のために書類の読み書きを援助する

知覚障害がある人に、周囲の情報を提供する

信頼された場合は選択肢について議論する

ピアサポート

●ピアサポートは障害を持って暮らすことについての障害者総体の知識を開発する

●生の体験と個人の選択を尊重する

●階層的でなく上下の区別がない場 共同の場で自己をエンパワーメントする場を提供する

●自立生活運動、権利主張、精神医療ユーザー・サバイバー運動、女性障害者ネットワークで利用されている

事前計画を立てること

●保健ケアあるいは他の文脈でも使うことができる、たとえば子供の後見についてなど

●困難を予測する人にそれに準備することを認める

希望を伝えることを助ける、権利擁護者を指名しておく

とられるべきあるいは避けるべき特定の対処法を指定しておく

●精神医療ユーザー・サバイバーは危機の際に何が起こるか自分で管理するために事前計画を利用してきた

個人の選択に合わせた

心的外傷の経験の情報を与える

●危機的状態になると法的に無能力とされてしまうという文脈の中で開発されてきた

●平等な法的能力が求められている、現在、事前計画は支援された意思決定のひとつの形態として、より自由に安全に、使うことができる

アクセシビリティ手段

●個々人に合わせた支援のため補助として体系的なアクセシビリティの手段

●たとえば 保健ケア提供者は本人に自分の通訳を用意させ支払いさせるのではなく手話通訳者を準備すべきである

(障害者人権条約25条、9条、21条)

●司法へのアクセスについてはアクセシビリティ手段が法の執行、法廷そして監獄体制において要求される

(障害人権条約13条、14条、9条、21条)

●アクセシビリティは障害者に有効にサービス提供するためにサービス提供者と一般的な公共サービスに関連する公務員が訓練を受けることを求めている。(障害者人権条約4条 i)

●体系的なアクセシビリティ保障はそれだけで十分な場合もあるが、個人にふさわしい特別の支援体制を必要とする人も多いだろう

支援における共通の要素

●草の根の主導権による、小さな規模のもの たとえばコミュニティや家族のレベル

●サービスの利用者の選択に基づき、利用者によって運営され、利用者に対して説明責任を取ること

●さまざまな分離された任務を持つ援助に限られることがなく、緊密な関係性を基盤としたものであることが多い

多様な要素

●異なった支援の類型において異なって求められる配慮についての多様な因子

家族を基盤とした支援体制の尊重は必要であるが、同時に、本人の望まない家族関与は避けられることが保証される必要がある

支援者の信頼性は確保される必要がある、同時に個人のプライバシーや支援関係の守秘義務については犯されないことが必要

●いかなる環境であれ、支援を選ぶ決定をするにあたって自由と安全は根本的であり、最も重要な価値である。

他の要素

●ジェンダーと障害 法的能力に関しては相互に関係する差別がある

無能力と受動的役割を期待されていることの克服

性とリプロダクティブの権利を含む自律

ひとつの選択肢として単一のジェンダー向けへの支援体制を提供されること

●文化的な能力 人種的、宗教上、言語そして性的志向について多様性を持った支援者を確保する必要

●今現在ある資源に基づき、多様な支援モデルを開発すること。すなわち現行社会のつよみと価値に基づきそして障害者の多様なニーズに配慮すること

●先住民の障害者

先住民の意思決定過程は共同的でありすでに支援された意思決定の価値を反映しているかもしれない

そうした意思決定過程において他のものと平等に障害者が対応されることを確保する

●今ある支援の類型は特定の国で、障害者に特定した部分について開発されてきた

●こうした支援を一般化し共通の要素を抽象することも可能であるかもしれない、しかし唯一の類型を「よい実践」とする必要はない

●障害種別を越え、地域を越えた対話が多様な文脈における適切なモデルを探索するためにもとめられているだろう

いかに履行されるか

●包括的な法の改正が必要。なぜならいろいろな法律のひとつ以上の条項に無能力という条文が埋め込まれているだろうから

(障害者人権条約4条1項)

●支援の枠組みを作り上げるための、積極的肯定的なポジティブ方法、対応

(障害者人権条約12条3項と4項)

ひとつのモデルに支援を狭めないために柔軟性を維持すること

●条約の履行と監視において、障害者団体との密接な相談と参加(障害者人権条約4条の3項と33条)

障害をもたらす法律を特定すること、法制度と政策の枠組みを作り上げることそして支援の多様な形態を開発し評価するための、障害者団体のリーダーシップと参加

●情報、アイデアそして体験を共有するための、障害者団体、政府、他のNGO そして地域社会間の国際協力(障害者人権条約32条)

積極的肯定的ポジティブな方策

●ポジティブな方策に関する義務(障害者人権条約12条3項と4項)は平等な法的能力の基準の下で解釈されなければならない

12条4項は人の権利、意思、そして好みの尊重を求めており、これは平等な法的能力にふれている

法的能力行使について書かれているこれらの方策は代理制度ではなくて支援パラダイムのもとでのみ機能する。

権限の乱用を避けるセイフガード

●セイフガードは障害者を過剰に保護してはならない

●支援は説明責任と忠誠を本質的義務とした信託関係である

●厳密な調査が一定の状況では求められる

CACLは支援者に対して公式の説明責任を求める場合として以下の状況を特定している。

人の意思と好みを伝達するあるいは通訳する場合

財産の管理をする場合

●POスコーネは官僚制度および行政の関与が障害となりうる特定の人々のニーズを満たすためにプライバシーと守秘義務を優先している。

●CACLは、支援が本人の意思と好みを尊重することそして利害の対立と不当な影響から逃れられていることを確保するために外部審査の提供を求めている

一方でこうした審査は目的に反しているようにも見える。こうした審査は支援関係介入回避のニーズに反する可能性もある

こうした審査は不満を表明する機会として以外は提供されるべきではなく、また人の意思と好みの通訳に関係する支援に限られるべきである。

●信託関係における搾取と権限乱用を避けるための方策は支援された自己決定についても適用される

●障害者は司法へのアクセスを障害者人権条約13条で保障されている。これには法的手続きへの有効な参加への援助と配慮も含まれている

●あらゆる障害者に対するあらゆる形態の暴力、搾取および虐待の禁止に関しての義務が障害者人権条約16条で包括的に宣言されている

虐待を予防する教育、法の執行、保護するためのサービス、被害者に対するリカバリーと再統合サービス、そして障害者のための監視プログラムを計画することなどを含む

すべてのこうした方策は個人の尊厳と自律を尊重しなければならないということは障害者人権条約3条(原則)で確保されている。

支援へのアクセスの提供

●支援はほとんどの場合インフォーマルな形で行われることになろう、そして障害者、その家族、友人そして地域社会、ピアサポートネットワークさらにそれと協力するグループや組織によって開発されることとなろう

●政府は多様な種類の支援体制の開発を奨励する役割を果たし、また支援を必要としているかもしれない人に支援へのアクセスを援助する役割も果たしうる。

セミナーや地域社会のフォーラム、資金援助そして障害者団体の主導権を支援する政策などを通して、積極的なプロモーションを行うこともこうした方策に含まれるであろう。

●「支援を求めるための支援」

支援を求める人によってあるいは支援を提供する人によって関係性は始められる。

アウトリーチは政策の枠組みの中で総合的な仕組みとなるべきである。

●体系的なアクセスへの方策調整

●法改正の調整

●暫定的な支援

CACLは、地域社会の中でネットワークを開発するのを手伝う間、個人を暫定的に支援するための、パブリックファシリテーター組織を提案している。

現行法

●障害者人権条約が要求している支援パラダイムを完全に履行している政府は存在しない

●現行のモデルは障害者人権条約の義務と比較検討されなければならない

●スエーデンは完全な権限を持つ後見人を廃止して、障害者への支援体制を設けたそして「最後の選択肢」として部分的な後見人制度を残した。

・メンターあるいは「よき人」

・裁判所による指定

・家族からあるいは専門職と地域社会の成員から募集した人を指定

・支援を受けることを本人が同意した場合にのみ動く

・サービスに支払いがされる・受託者あるいは「forvaltare」

・後見人に似た権限しかし投票権は維持する

・受託者の権威のもとで一定の事柄については行為を制限される他のサービス、パーソナルアシスタント、エスコートそしてコンタクトパーソンも提供される

●スエーデンの体制についての議論

この体制は障害者の法的能力を他の人と平等にするというのではなく、法的能力と無能力の違いを維持している。

受託者という選択肢が存在することは、個人の人権と自由を尊重するというよりむしろ、個人の同意があるときにのみメンターが行動できるという義務についても権限の疑問の余地を残している。

裁判所によってメンターが指名されるというのはわずらわしく個人が支援を拒否できるか否かが不明確である

個人の代理に関する同意

●いくつかの国あるいは連邦国の州では個人は、裁判所指名の代理の意思決定者を持つ代わりに、代理するものを指名することを認めている(脚注7)

これはいくらか本人がコントロールできる余地があるが、依然として本質的に無能力のパラダイムと強制の下にある

アシスタンス体制

●ラテンアメリカのいくつかの国では無能力に関して二つの体勢がある。完全な後見人とアシスタンスの二つ

アシスタンスとは本人の承認に加え行動する際にはアシスタントについて本人の承認を必要とすることを意味する

これはサポートパラダイムと同様であるが、同意に基づくというよりむしろ強制された相互依存性といえる。

子供と法的能力

●すべての法体系において法的能力は年齢で制限されている

●子供には法的能力の発展可能性がある

年齢と成熟度に応じて、意見表明権が与えられる(子供の権利条約12条)

障害者人権条約は支援パラダイムを子供にも適用している。

すなわち意見表明権は年齢に及び成熟度に応じて考慮され認められており、また障害および年齢に応じた、この権利を実現するためのアシスタンスが認められている。(障害者権利条約7条3項)

結論

●支援パラダイムへのそして社会と障害者にとって支援パラダイムが何を意味するかについての完全な探求に向け、各国内および国際的な、共同研究が求められているといえよう。

●支援パラダイムは障害者に平等な人権を保障するインクルーシブな社会を創造していくために必要かつ論理的なステップである。

●個人として発達のためには危険を冒す必要があるので、全世界の社会は障害者も包摂したすべての人のために自己決定と連帯を支持し保護主義を捨て去らなければならない。


脚注

1 CACL 後見人制度への代替案作業部会報告書

(訳注:長野のサイトに掲載中 邦訳パンフ(500円プラス送料)も発売中)

2 PO-スコーネと支援された自己決定

(訳注:長野のサイトに掲載中 コピー必要な方は実費でお送りいたします)

3 法的能力に関する国際障害コーカスのビラ

4 法的能力に関する主張メモ

5 障害に関する特別報告間により専門家文書

6 「セルフアドボカシーとインクルージョン」(2005年8月)のプログラムにおける発言

7 「自己決定、自律、後見人制度に対する代替策」 知的障害者の人権

8ベネゼイラの法律における法的能力に関する討論

http://www.monografias.com/trabajos17/personas-juridicas/personas-juridicas.shtml

アルゼンチンの法律における法的能力に関する討論

http://html.rincondelvago.com/capacidad-juridica.html

上記邦訳は長野英子 英語原文は以下に掲載中

http://nagano.dee.cc/tinalegal.htm


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全国「精神病」者集団ニュース 2007年4月号

2007年4月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団

ニュース


= ごあいさつ =

寒い風も徐々に春の風となり、日ざしも暖かくなって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

障害者権利条約の国内法整備、今年からこの仕事があります。わたしは、この国内法はすべての障害者が取り組むべきだと思っています。それは、この法律は「わたしたちの法律」であるからです。私たちの法律に私たちが無関心ではいけないと思います。

国内法の核となる、「差別」「不条理」の体験を日本の全障害者から語ってもらい、それこそが盛り込まれるべき重要な資料だと思います。語りから作られる法律とも言えます。

あせらず、ゆっくりでもいいので、完全に近い法律にすることを目的に活動をしていきたいです。

皆様にも、応援、賛同、協力お願い致します。

全国「精神病」者集団連絡先の変更です。発送名簿の変更をお願いいたします。
★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒164-0011 東京都中野区中央2-39-3 絆社
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留守電のときは下記携帯電話へ)
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ファックス03-3738-8815

私の視点「Q&A」

-「杉並区障害者区議会」- 区長への提言の後日談

2007年2月号の当集団ニュースに記載された通り、2006年11月24日付の「Q」でしたが、過月2007年1月18日付で「A」なる返書が区長名で郵送されて来ました。今般の返答内容には、充分とは申せませんが、私たちの提言を一応傾聴されたやに(70点)受け止めることにしました。

今回の障害者区議会運営に関する、異論・提言は、昨年の(2006.5.16)が最初です。その提言書簡は4回に到りました。初回の返書は係長名、そしてやっとの想いからか、トップに区町名となった次第です。

これを見れば、世間で言う、役所仕事と悪評の実態と実話です。根幹とする障害当事者の実情と真実の無知、そして机上の論。独断偏向。事後承諾が最大の障壁でした。

私たちは必ずしも、当障害者区議会の開催に「No」と言っているのではありません。障害者区議会と冠をつけるのならば、セレモニーではなく、信に提言障害当事者を主要とする実証と、当区議会の運営事務局を設けて障害当事者と開催区側の誉れに後日談として発展すると想うのだが!!

以下は区町名に依る返書内容です。御一読下さい。そして一言!!真実の仁慈にかてるものなし!!

2007.3.11


精神障害者に補償を!

あやめ

20年以上前、初めて精神的不調になり精神科受診しました。

その精神科医から有形無形の暴力をたくさん受けました。なんとか、その医者から逃げたものの、不調は重篤化し、医者からは暴力が原因の社会不安障害が加わり、他者、社会が怖くて関わることが出来なくなりました。精神科医療・福祉を受ける必要がありましたがトラウマにより、出来ず、その状態で生きるのにウルトラC連続技で生活を成り立たせてきた、という感じです。それとて20年長きに渡ると、タネがつき、疲れ果てて、死ぬ選択しかないか、と検討しましたが、最後の決断の前に、今まで出来なかった、医療福祉を受ける、ことをやってて、それでもダメなら自殺という順序と思って、恐怖突入という感じで福祉の輪に入りました。

地下鉄サリン事件に遭った人がトラウマにより地下鉄を使うことができなくなるケースがあるとニュースで報道されていましたが、同じように、精神科のフィールドで暴力に遭った場合そのトラウマにより精神科医療福祉を受けることが困難になることはあると思います。精神科医療・福祉の一定の質は必須条件で、さらに被害について話す、うったえることを安全にできる、医療・福祉のフィールドとその外でー等を基本に、#等をの横に何らかの記述、各種の適切な環境があってこそ、療養が成り立ち、生きていけるーそして誰にとっても一定の質は必要なはずです。福祉のわに入り大変驚いたのは精神障害者福祉手帳が他障害者より各段に手当サービスがないことです。

精神障害者が本質的に時代さく誤の位置に置かれない為に、東京都が公共交通機関の運賃に対する障害者割引を精神障害者にも導入するような文書を通達してきましたが、後の通達で都内路線バスの運賃が半額になります。介護人は割り引き対象になりません。ですって。

1.必ず実行して下さい。東京都以外の地域ももれなく。

2.他障害と同様の手当て、福祉サービスを全国の精神障害者にも実行して下さい。

3.長年精神障害者をないがしろにしてきたことに対して、補償と手厚い適切な対応へ改善して下さい。もちろん3障害統一のスローガンの結果、予算無いから全体的に底下げなんていう改悪の側面は改善して下さい。

普通に考えて障害者が適切な福祉を受けられない。ということは生存権にかかわる大変な人権侵害と思います。どんどん自殺者が増加していますが、この凄い社会問題との遠因と直接的原因の一つに、旧公費負担制度旧公費負担制度利用者数に対し手帳取得者が格段と少ないことに象徴される、精神科医療、福祉が安全でない、貧困である側面、精神を病む者が差別され、ないがしろにされてきた側面があると思います。自殺防止の法律ができましたが、この問題に取り組む方々は、精神科医療、福祉の大きな改善による自殺防止、という切り口を見てほしいのです。

精神科医療で理不尽な強制入院等、色々な人権侵害を受けた人は多いと思います。目撃しただけでトラウマになりえるし、療養環境に問題アリ、なはずです。公害だと思います。そのトラウマにより病気が悪化したり、医療福祉や他者、社会と関わりにくくなることは医原病だと思います。そのダメージの部分に社会の補償は必要なはずです。

私になされた暴力に社会の補償を求めます。ほかの仲間達にも本質的に必要なものに補償があっても然るべきだと思います。

2007年2月20日


空白の12年

白縫狂介

以前、投稿暦があります。12年ぶりに投稿します。

この間、いろんなことがありました。

一つの政治斗争(逮捕歴一回)

三つの裁判斗争(三回とも敗訴)

そして現在は、ほそぼそと生活保護を受けながらSクリニックに通院しています。

三回の裁判斗争を通じて、私が訴えたかったことは以下の2点でした。

① 精神保健福祉法は人権侵害の悪法であり、憲法違反していると言うこと。

② 中でも医療保護入院制度は本人の意思に反して強制的に入院(閉鎖病棟)させることができる制度で、<保護者>の同意さえあればいいと言うことで、私は家庭裁判所に<保護者>選任取り下げを訴えたのでした。

今日、医療科学の進歩は目ざましく、不治の病と言われていた、精神病も治る見込みのある病気になったのに、「法制度」上は、取り下げのきかないのです。

私の場合も、被保護者による保護者選任の取り下げの訴えは(前例がない)うことで却下されたのです。

以下が、空白の12年間の総括です。

反省すべき点は、孤立した斗争であったと言うことです。

その為にも再び投稿しました。

2007年3月16日


07年3月

第2回日本地域司法精神保健福祉研究大会感想

東京 長野英子

ブラックユーモアとでもいうべきは

はじめの講演以下

講演「精神障害者とソーシャルインクルージョン」

(講師)炭谷 茂氏(財団法人休暇村協会理事長、日本ソーシャルインクルージョン推進協議会代表、前環境事務次官)

彼は精神衛生法から精神保健法になったときにいかに努力したかを自賛し、さらにこれからの福祉はソーシャルインクルージョン、そしてすべてのものが最低賃金を取れるソーシャルファーム(社会的企業)の創設と力説、それが世界の流れだそうです。

イギリスブレア政権の話もしていて社会的排除をなくすためにソーシャルインクルージョンに向けて予算も特別の部局も作ったといっていましたが、一方の精神保健法改悪の件は一切触れず。

イギリスではソーシャルインクルージョンを掲げながら、また一方で「危険で重篤な人格障害者」とされれば一切法に触れる行為もなく、治療可能性もなくとも予防拘禁する精神保健法案が国会に出されたわけですが。

日本の坂口元厚生労働大臣が医療観察法の審議中、何度もこの法律だけを突出させない、精神保健福祉の底上げとこの法律は車の両輪といい続けていました。

少なくともイギリスでは車の両輪はそれなりに予算がついているのかもしれません。

その後のパネルでもそれぞれが口にしていたのは、地域資源の不足住宅を見つけることの困難などなど、さらに家族支援という話をしていました。これはこのほう対象者に限らない問題という話。

寺谷氏は「すべての法制度には光と影がある、医療観察法にも、自立支援法にも、光を広げていこう」といっていました。

でもそもそも無理な法律をそして差別と排除を強化する法律をどういじくろうとも光など見えてくるはずないわけです。それでもなお善意のソーシャルワーカーが仕事をすればするほどこの法律は定着化、ということになるし、また一方でPSWの地位向上、「専門性向上」ともなるのです。

会場からの質問で一番的を射ていたのは精神障害者の事件のご遺族の発言。「自分は専門家でもないが、今日の話を聴く限り、一番難しいところから手をつけているようだ。自分はソーシャルインクルージョンに賛成だが、なぜもっと全体的な取り組みをしないのか」でした。

全国「精神病」者集団としては以下のビラをまきました。

第2回日本地域司法精神保健福祉研究大会参加者に訴える

★障害者権利条約は一切の強制収容強制医療を否定している

昨年12月に国連で批准された障害者権利条約の下では心神喪失者等医療観察法のみならず精神保健福祉法も廃止され、一切の強制収容と強制医療が禁止される法整備およびサービス体制が求められる。

すでに医療観察法は破綻が明らかであるにもかかわらず、札束で頬を殴る形で鑑定入院先や指定通院施設が押し付けられ、地域では自立支援法による混乱や「精神病」者の悲鳴にもかかわらず、行政の精神保健専門職は医療観察法の業務に力をさかざるを得ない状況にある。とりわけこの法に基づく膨大な情報収集とその更新管理は過大な業務を担当者に押し付けている。

一方でこうした情報収集とそれに基づくモニタリング研究は、ひたすらこの法の正当化と拡大あるいは改悪に向け利用されようとしていることは明らかだ。

対象者の個人情報収集あるいは関係機関共有への拒否権さらにそうして収集された個人情報へのアクセス権・情報コントロール権すら否定されるという、これまた権利条約のもとではありえない事態が進行している。対象者を支援するという姿勢を守ろうにもこの法の枠組みでは、こうした国家犯罪に加担する以外の選択肢がないことは明白である。

★更なる保安処分の拡大

裏面資料にあるように昨年政府は保安処分新設を法制審議会に諮問し、性犯罪者・薬物依存者について、刑期満了後も何らかの強制的手段による施設収容、再犯防止を目的とした保安処分の新設を諮問している。精神障害者への差別を利用して保安処分を導入した医療観察法を突破口として、精神障害者のみならずすべての人への保安処分制度新設への道へと政府は突き進んでいるといえよう。ここであげられている性犯罪者あるいは薬物依存者という言葉は世論の反発を避けようという口実であり、先の医療観察法導入と同様の手段といえよう。もちろん性犯罪者であろうが薬物依存者であろうが再犯防止のための予防拘禁や監視など憲法上も許されない。

★「社会的復権」「全人的復権」とは何か?

障害者権利条約17条「人としてのインテグリティの保護」は、すべての障害者は、他のものと平等に自らの身体的精神的インテグリティを尊重される権利を持つ、としている。

第1回の本研究大会呼びかけ文には「社会的復権」と「全人的復権」が掲げられていたが、インテグリティとはまさに人としての統一性、人格総体、そしてその不可侵性をさす。そもそもインテグリティの侵害はまさに拷問であり一切許されないのであり、復権以前にインテグリティを侵害しないことこそがまず求められている。「復権」ではなく、「不可侵」こそが、掲げられなければならない。そしてその意味からも医療観察法は直ちに廃止されなければならず、「社会的復権」「全人的復権」を掲げる専門職諸団体はその責務に立ち返るべきである。

すべての参加者に医療観察法廃止に向けわれわれとともに闘うことを訴える。

権利条約と医療観察法および精神医療については会場で販売中の文献および、以下長野英子のサイトをご覧ください

http://nagano.dee.cc/


2007年3月4日

全国「精神病」者集団

資料 06年7月26日

政府法務省保安処分新設を法制審議会に諮問

東京新聞7月27日報道によると、7月26日政府法務省は再犯リスクの高い性犯罪者らに満期出獄後も強制的に施設入所を命令する、保安処分制度を法制審議会に諮問した。

7月11日の閣議後の杉浦法務大臣の記者会見において法務大臣は以下述べている(一部引用)

例えば,性犯罪者ですとか,麻薬・覚せい剤関係の,そういう人たちに,例えば,麻薬・覚せい剤について治療を行うとか,あるいは,性犯罪者で,累犯の可能性のある人については,出所後に教育を行うとか,そういう一種の保安処分的な,これは,裁判所の判決と同時にやらなければいけないので,法改正がいりますが,そういうものをやっている国はございますので,再犯防止,社会復帰支援という観点で何らかの形で制度・設計できないか。

そういう人の関係で,刑執行終了後の累犯の可能性の強い人たちに対する,何らかの保安処分が検討できないかといった,ほかにも幾つかありますけれども,課題について,諮問をするわけです。

保安処分的なものを科すというのは変化があると思います。今やっている一般の更生保護法人は,出所した人が希望した場合,いらっしゃいと,一定期間,宿泊させて,就職の面倒を見たり,それから教育支援などをやっています。あくまでも本人の希望に基づいてやっているわけです。先程申し上げた公的な保護法人を立ち上げるというのは,それを更に強化しようと。罪の種類によっては希望しても入れない人もいる。それで公的なものを作って,補強といいますか強化していこうという趣旨で,保安処分的な性犯罪に対する教育ですとか,麻薬・覚せい剤に対する治療,あるいは血液検査を何年間は受けなさいとか,そういう刑終了後の処分については,これは新しい考えになると思います。社会をそういう者から防衛するのだと。


精神科病院敷地内施設4月1日強行施行

東京 長野英子

精神科病院敷地内施設撤廃に向け粘り強く交渉を求めてきた私たちに対して、厚生労働省は一方的に交渉を打ち切り4月1日強行施行を行いました。しかし以下アピールにあるようにこれからが闘いの正念場、自立支援法の精神障害者への給付が、精神科病院経営者に流れ込み、私たちが街で暮らせるためのサービス開拓、脱施設地域移行に向けたサービスが各地でなんら作られないという事態をなんとしても阻止しなければなりません。

3月30日対厚生労働省行動参加者一同のアピール

本集会にお集まりの皆さん!厚生労働省は、われわれ当事者の粘り強い反対運動や精神医療・福祉従事者の強い反対、そして、マスコミの厳しい批判を受けながらも、当初予定していた4月1日実施を強行すると言う態度をついに最後まで、かえることはありませんでした。しかしながら、問題の核心であるところの「社会的入院者」の解消、長期入院者問題ならびに精神障害者の人権侵害問題解決に今回の強行実施がまったく繋がらないものであることは、火を見るよりも明らかです。

本当の闘いの正念場は、むしろこれからです。

このようなその場しのぎの安易な解消策は、決して本当の意味での「社会的入院者」の解消には繋がらない天下の愚策であることを、指定者である都道府県や支給決定に携わる市町村に対して、粘り強く訴えかけ、退院支援施設の実態化を阻止する運動に力を注いで行く必要があります。

また、退院支援施設が「一つの選択肢」だと、あくまで言うのであれば、他の選択肢にも個別の入院者の実情にあった退院支援策を、具体的に要求していく必要も当然あるでしょう。「本人」が、本当の意味で、多様な選択肢を選べるように、そして「本人」をエンパワーメントできるような仕組みを作り上げていきましょう。皆さん、今後も、力を合わせて、「本当の意味での解決」に向けて、今後も粘り強く、取り組んでいきましょう!


精神疾患と薬かしこい利用者となるために

講師 八木剛平先生

精神科医 一般向けの『統合失調症の薬がわかる本』(ぜんかれん発行)でおなじみの先生ですが、その他専門家向けの著書も多数おだしです。

日時 第1回 6月5日(火) 午後2時から5時

統合失調症は脳病にあらず、薬だけで回復するのではない

第2回 6月14日(木) 午後2時から5時

抗精神病薬の実際、かしこい利用者となるための基本知識

場所 東京都障害者福祉会館

絆社の名前でとってあります。5日は和室A、14日は和室Bです。いずれも2階

都営地下鉄 三田駅下車 浅草線A7出口 三田線A8出口

JR田町駅下車

資料代 300円

主催 全国「精神病」者集団

連絡先 080-1036-3685 Fax 03-3738-8815 E-mail nrk38816@nifty.com

会員に限らず、「精神病」者でもまた他の方でもどなたでも参加できます。

『統合失調症の薬がわかる本』(ぜんかれん発行)をもとにして2回にわたっておはなしいただきます。この本は薬の本ですが、前半は、統合失調症は脳病にあらず、症状もまた自助活動の表れ、養生という概念その他もろもろ、「自然が治癒し医者が手当てする」というヒポクラテスの言葉を思います。

統合失調症=脳の故障、だから薬、という論理批判、ともかく攻撃的というか積極的に症状を押さえ込もうとするがゆえに、薬が増え、副作用も増えている実態が明らかにされています。またバリ島の精神科病院の描写そして、再発率の低さ入院期間および病床数の少なさ、まさに心理社会的障害という側面を明らかにしていると考えます。後半の薬の説明がそれゆえに説得力があります。

この本の前半、後半部分を2回に分けてお話していただきます。

和室で車座になり、利用者の立場からの質問を交えゆっくりと質問などしていただけたらと考えています。


新刊紹介

『障害は心にはないよ社会にあるんだ

精神科ユーザーの未来をひらこう』

解放出版社 1400円

著者 八尋光秀・精神科ユーザーたち

東京 長野英子

八尋弁護士は熊本ハンセン訴訟で違憲判決を勝ち取った弁護士。熊本判決はハンセン元患者への隔離を「人生被害」と表現し違憲と断じた。八尋弁護士はハンセン病と同様に精神科病院においても、患者隔離が許されてはならないと主張している。

「やむをえない強制入院」を適正手続きで正当化しようとしる論理に対して、「人生被害にまさる医療利益などどこにもない」と断言している。

「患者隔離」という表現はされているものの、私の言葉で言えば強制入院制度強制医療の撤廃を主張していると考える。

二人のユーザーの強制入院体験は、まさにヒポクラテスの言う「まず害するなかれ」をいかに裏切り、精神科医療が「まず害し」人生を奪っていることをあらわに証言している。

昨年国連で採択された障害者権利条約は、世界70団体以上の障害者団体そしてそれと連携する非政府団体の団結により、勝ち取られた。私たち全国「精神病」者集団の参加しているWNUSPは強制の廃絶を主張し、それは不十分とはいえすべての人に法的能力を認めた12条、人としての全体性統一性不可侵性を尊重される権利を認めた17条、さらに他のものと平等なインフォームドコンセントを例外なしに認めた25条などにより、精神障害者に対しても強制の廃絶、精神保健福祉法の廃絶が勝ち取られたといっていい。

全国「精神病」者集団の長年の主張「強制の廃絶」は国内では論外とされてきたが、今国内においても、こうした声が上がり、さらに国際的に私たちの主張が支持されていること、そのことを改めて確認できる、勇気を与えてくれる本である。


(略)