「人としての尊厳を取り戻す闘い」 支援のお願い

裁判 始まる

この8月初旬、鳥取地方裁判所に、精神しょうがい者の女性(橋本

さん)が訴えを起こした。

橋本さんは、精神医療の現場で行われた人権侵害事件の被害者だ。以

下、その「訴状」の一部を紹介する。

「原告が本件で訴える違法行為の概要は、端的には、次のとおりであ

る。

1 被告特定・特別医療法人明和会医療福祉センターに対しては、

① 後述するように平成19年1月30日から同月31日にかけて起きた

原告の薬物多量服用に伴う救急車の利用に際し、その搬送を受け入れ

た渡辺病院が治療を放棄したために、原告を同病院内で縊首行為をす

るに至るまで精神的に追い詰めたことに対する責任を問う。

② 被告独立行政法人国立病院機構鳥取医療センターへ救急車を呼

んで原告を転送するに際して、不適切な連絡(紹介)により、医療セ

ンターでの違法な身体拘束・隔離等の人権侵害惹起の責任を問う。

2 被告独立行政法人国立病院機構・同松島医師に対しては、同月

31日に紹介を受け同機構の鳥取医療センターにおいて原告を受け入れ

た際、医療保護入院に必要な保護者の同意について、充分な説明を行

わず、保護者からその場で同意書への署名も口頭での同意も取ってい

ないにも関わらず、原告を違法に隔離・身体拘束し、男性看護師によ

って下着(パンティ)を剥ぎ取るという人権侵害を行ったことに対す

る責任を問うものである。」

橋本さんの背景と事件に至る経緯

 橋本さんは、鳥取県鳥取市在住、双極性気分障がいⅡ型の傷病名を
持つ女性である。

 橋本さんが、本件の被告である特定・特別医療法人明和会医療福祉
センターの開設する渡辺病院に通院を開始したのは、平成8年4月の
ことであった。翌平成9年12月より、明和会の代表者である渡辺医
師の担当するところとなり、事件の起こった平成19年1月31日に
至る約9年間、ほぼ一貫して同医師の治療を受けてきた。

 この間、渡辺医師は、彼女に様々な薬物療法を試みたが、それらは
ことごとく効果を上げず、彼女の病状は年々悪化の一途をたどった。
闘病が長期化すればするほど、彼女の焦りは増して行き、希望が見え
ない状況の中で、ひとり苦しみもがいていた。特に、事件の3年前あ
たりから、社会生活はおろか、日常生活さえも壊滅的な状況となり、
その状況下での彼女の心理的な切迫感は筆舌に尽くしがたいものであ
り、生存に関わると言っても過言でなかった。

人権侵害事件

 そのような状況下で、事件は起きた。

 橋本さんが薬物多量服用をしたのは、強い鬱症状のため約半年間自
宅でひとり寝たきり状態にあったその時である。

一方、渡辺医師は、約半年間にもわたり、彼女が外来受診をしていな
いことなどから、彼女がおかれていた深刻な状況を長年の治療関係に
おいて知り得たにも関わらず、彼女に対して何らの救いの手を差し伸
べようともせず、存在すら忘れたかのように無視し、放置していた。

彼女は、そんな渡辺医師に対して不信感を募らせながら、出口の見え
ない深い絶望の淵にあり、言語に絶する苦しみを味わっていた。その
苦しみから、彼女は、薬を飲んだ。

 平成19年1月31日、朝。彼女が救急車で搬送されたのは、渡辺
病院だった。鳥取市内に住む彼女の父親に連絡が取られ、父親は病院
に駆けつけた。そこで渡辺医師が父親に告げたのは、「今日は診療し
ません。引き取ってください」ただそれだけだった。彼女は薬物の影
響下にあり、まるで酒に泥酔したような状態。結局、夕方まで処置室
のベッドに放置されていた。

 夕方、再び彼女のもとを訪れた渡辺医師は、付き添っていた父親に
「引き取って下さい」と重ねて言い、父親が「しかしこんな状態で
は…」と言っても「お帰り下さい」の一点張りで、さっさと姿を消し
てしまったため、父親は困惑し、途方に暮れ、為す術もなくその場立
ちつくすばかりだった。
 やがて夜になり、少しずつ薬物の影響が薄れてきた橋本さんは、院
内の照明がほとんど消えた頃になっても、その場に居座ることで抗議
の気持ちを表した。長年の治療にも関わらず、悪化する一方の病状に
対する苦しみの挙げ句に引き起こされた薬物多量服用であるのに、そ
れに対して渡辺医師は、手を打つどころか治療拒否という、治療困難
な患者を手に負えない厄介者として放り出す、医療者としてあまりに
無責任な態度に出た。10年にもわたる辛い闘病の行き着いた先がこ
れだった。彼女は深い憤りと暗澹たる絶望を覚えていた。

 そのやり場のない気持ちの発露として、発作的に彼女がとった行動
は、ふと目にした処置室の片隅に置かれた数枚のタオルを、カーテン
レールに結びつけ、首をくくるという行為だった。これは、直後に看
護師が気付き止めたため、大事に至らなかったが、このような患者の
行動に対して、渡辺医師には予見可能性があったことについて、本件
訴状においては、具体的な証拠を挙げ指摘がなされていることを、ひ
と言書き添えておく。

 その後、彼女は、勝手に救急車を呼ばれ、国立病院機構鳥取医療セ
ンターに転送される。

 医療センターに到着した橋本さんと父親は、診察室に通された。し
かし、当直の松島医師は彼女に目もくれず、内線電話で慌ただしく指
示を出しており、聞くとはなく聞こえてきたその内容から、彼女を収
容するための隔離室の準備が、既にとられていることが分かった。こ
の時、松島医師は、診察と言える行為は一切行わず、事務的に書類を
記入してその複写を彼女に渡した。これらの様子と松島医師の態度か
ら、彼女は、自分が「医療保護入院」させられると瞬時に察知し、恐
怖した。それはまさに、10年余に渡る闘病の結果、彼女が、精神医
療の現場で患者として、様々の不当な処遇を見聞し、経験してきたこ
とにより培われた、知識と直感力によるものだった。とっさに彼女は、
付き添っていた父親に「絶対にサインしないで!」と叫ぶ。

 診察も何もないまま、いきなり医療保護入院させようとする医師の
やり方に、強い憤りを覚えた彼女は、手渡された書類を、松島医師の
目の前でわざと破り捨てた。すると松島医師は、「そんなことをする
と懲役3ヶ月だ!」と強い口調で怒り出し、更に、「わしは精神保健
指定医だ!」と、恫喝するような調子で言い放った。
 
これらの言葉を聞いた時、橋本さんは、それまでの憤りが鎮まって
しまうほどに呆れかえってしまった。松島医師の、人権意識の低さ、
患者を前にして子供だましの脅迫や権威のふりかざしを行う人間的な
幼稚さに。しかし、それは同時に、この医師の前ではモラルも法も理
論も封殺され、患者は絶対的な暴力で抑圧され、抵抗することは全く
の無駄であると、悟ることであった。
 
実際、父親の同意もないまま、松島医師の指示の下、あっという間
に3、4名の職員によって彼女は羽交い締めにされ、無理矢理引きずる
ように病棟に拉致された。さすがに複数の人間に取り囲まれて問答無
用に引きずられて行くことには、強い恐怖を感じ、彼女は悲鳴をあげ
て父親に助けを求めたが、松島医師も職員も、黙って淡々とそれを行
った。
 
橋本さんは、強制的に隔離室に入れられ、注射を打たれ、錠剤を飲
まされ、ベッドに寝かされ、腹部と両手足を拘束具で拘束される。本
人の了解どころか、家族(保護者)の同意もないまま、彼女は強制的
に拘束され監禁された。
 
しばらくして、男女2名の看護師がやって来て、男性看護師によっ
て下半身裸にされ、紙おむつを着けさせられる。女性看護師はただ突
っ立って見ているだけだった。彼女が「何故男性の看護師なのか」と
冷静に質問すると、女性看護師が応えて「看護師には男性も女性もい
ますよ!」と吐き捨てるように言った。
 
橋本さんが体験させられた今回の精神医療現場での驚くべき非人道
的扱いは、断じて許されるべきではない。全く同意を求められること
もなく強制的に自由を奪われ非人間的扱いを受けたという事実は、人
権無視、人権侵害というありきたりの表現を通り越して、「ひと」の
存在に対する冒涜である。

原告 橋本さんの決意

 「その時、私は『ひと』ではなく『もの』に過ぎなかった。医療者
たちは当たり前のように私をそう扱った。これは精神医療の現場で
「患者保護」の美名の元に公然と行われている、日常的な人権侵害の
ひとつである。『ひと』はその尊厳を失っては存在の意味をも失う。
だから、私は、泣き寝入りはしない。私は、闘う決意をした。奪われ
た人としての『尊厳』を取り戻すために。自らが『ひと』として生き
るために。同時に、そうすることが、現状で、あまりにないがしろに

されている精神病者の人権を守ることにつながると信じるからだ。」

人としての尊厳を取り戻す闘い

 橋本さんは、たった独りで「人としての尊厳を取り戻す闘い」を始
めた。まず、地元弁護士会の法律相談で相談するが、「あなたには損
害はない。事件にもならないし、裁判になどならない」と門前払いの
扱いだった。

地元の弁護士に相手にされないのなら、日本中探してでも、精神しょ
うがい者の人権問題を理解できる弁護士を見つけようと決心し、かね
てより「全国『精神病』者集団」を通じて知り得た、「心神喪失者等
医療監察法」に真っ向から反対の論陣を張る、池原毅和弁護士に望み
を託した。彼女は、渡辺病院へ事件当日のカルテ開示の請求をし、本
件証拠とした幾つかの文書を入手した。それらを丁寧に調べ、父親の
証言を得ながら、事件の経緯を詳細な文書に綴った。それらを携えて、
単身、東京の池原毅和弁護士を訪ね、相談し、直接の紹介として、
しょうがい者の法と人権をよく知り、精神科医療に関わる裁判経験も
ある、鳥取市の大田原俊輔弁護士と出会う。
 
困難にくじけない、強い意志がそこには働いている。頭が下がる思
いがする。自らの『ひと』としての尊厳を取り戻すために、巨大な権
力と組織に対して一歩もひるまず、圧倒的な力関係の差があるにも関
わらず、たった独りで闘いをつくってきた、無謀とも言えるほどの熱
意。人権問題の原点が、そこにはある。
 
精神医療の現場で、彼女のケースのような人権侵害事象が、何故公
然と行われているのか。それは「国会で十分な議論もされないまま、
採決せられた『心神喪失等医療観察法』(予防拘禁法)に対する、多
くのひとの無関心と無神経さが引き起こしている」と言えよう。だか

ら、この裁判は、橋本さん個人の問題ではなく、私達ひとりびとりの

問題と考える。

「支援する会」へのご賛同のお願い

精神医療現場で起こった今回の人権侵害事象を許さない闘いを、当

事者(橋本さん)だけの闘いにせず、全体の問題として取り組むため

にも、「支援する会」を立ち上げていきたいと思います。

橋本さんの「人としての尊厳を取り戻す闘い」に共感し、賛同頂き、

今後の裁判の経過を見守って頂くことを、心よりお願いいたします。

「人としての尊厳を取り戻す闘い」を支援する会
【連絡先】 森島 吉美 〒733-0874 広島市西区古江西町20-18-507
E-mail:morisima(@)orange.ocn.ne.jp (@)を@に代えてメールしてください
「支援する会」 代表 森島 吉美

日本弁護士会連合会への申し入れ

日本弁護士会連合会御中

                 全国「精神病」者集団
                  164-0011
                東京都中野区中央2―39―3
                  電話 080-1036-3685
                  ファックス 03-5942-7626
                  e-mail  contact@jngmdp.org

             

                  
                2009年12月26日

要請書

貴連合会の人権擁護に向けた日ごろのご活動に敬意を表します。
私ども全国「精神病」者集団は全国の「精神病」者個人団体の連合体であ
り,1974年の発足時より、刑法改悪=保安処分新設と闘ってまいりました。
ご承知のとおり、来年心神喪失者等医療観察法は5年目の見直しを迎えます。
貴連合会は法案提出時に廃案を求め精力的に活動なさいました。私たちは日弁連
のこうした活動に励まされてきました。
私たちは以下に基づき心神喪失者等医療観察法の廃止を求めております。
なおこの問題は日弁連としては刑事法制委員会の担当となっているようですが、
本来精神障害者の身体の自由侵害の人権問題として、人権擁護委員会が担当とな
るべき問題でもあり、かつ高齢者・障害者の権利に関する委員会、あるいは国連
障害者人権条約との関係では国際人権問題委員会の課題でもあるべき問題です。
これら委員会が総合して取り組む問題であることを認識していただいた上で、こ
れら委員会の合同の場で、かつ公開のもとに私たちと討論していただきたいと存
じます。

医療観察法は廃止しかない
1 立法事実がない
法務省刑事局自身が以下述べている(「重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇
決定及び処遇システムの在り方などについて」の法務省厚生労働省合同検討会で
の手持ちメモ)
「精神障害者の犯罪は最近特に増加しているわけではない。精神障害者を危険な
存在(犯罪予備軍)と見ることは困難である。法務省の検討の結果でも精神障害
者の再犯率が高いという調査結果は出ていない。『危険性の予測』については、
誰が、どのようにして行うのか、またどの程度の確実性を持って可能なのか、理
論的・実際的に困難な課題がある」
2 精神障害者差別立法である
  精神障害者のみを他のものとは違った手続きで身体拘束することは差別に他
ならず、憲法および国連自由権規約、さらに日本政府が署名した障害者権利条約
に違反している
  現在の一般的医療水準からいえば非常識な1年から1年半という入院期間の
設定、さらに1割が長期化するという国側の宣言、人身の自由を奪う根拠のない
鑑定入院による拘禁(たとえば東京都の社会的入院の定義は1年以上である) 
これらは精神障害者差別としか言いようがない
3 医療観察法の実態はすでに破綻している
  わかっているだけですでに13名の自殺者を出している
  鑑定入院中の「鑑定」により一気に病状悪化された例も報告されている
  収容施設の不足により、本来の「手厚い人手」も保障されない施設に対象者
が拘禁されている。
4 「触法精神障害者問題」という問題はない
  本来問題にされるべきは刑事司法体制および獄中処遇の問題、と精神保健福
祉医療一般の問題である。
  多額の予算を費やす医療観察法が、これらの問題解決を遠ざけ隠蔽している。

全国「精神病」者集団ニュース09年12月号 抜粋

ごあいさつ

今年もいよいよ僅かとなりました。だからと言ってなんなのか、今一解らない冒頭のご挨拶の風習に合わせるべきか、自由を叫ぶべきか、悩むところでございますが、いかがお過ごしでしょうか。

私は寒くてダウンしそうです。もともと、鬱病を発症してから平均体温が低下し、35.3°とかが普通に出ます。これに加え、日中の平均気温が、10℃を下回り、いよいよピンチです。夜は、0℃にまで下がるので、寝る前は重装備です。

雪が降ってしまえば、いよいよ、移動も制限され、引きこもりというか冬眠というか、動きにくくなります。

実は、来年、忙しくなります。精神保健福祉法、医療観察法の二大病人強制収容法の見直し時期となっており、その時期を狙い目に廃止に持ち込みたいわけです。政府は自立支援法は廃止する方針を固めたようで、小泉政権時に強行採決された法の原則廃止という路線が見えつつあるように思います。この流れに、医療観察法を乗せていくことが、鍵となります。

それには、人員が必要で、新たに運営委員を大募集することにしました。また、冬季カンパの方もよろしくお願いします。

妻のお見舞いに行って

一目山逃走寺

こんにちは。

実は昨年暮れに妻が、東京多摩地区の某精神科に休息入院しました。

主治医の交代もなく、ひとまず安堵したのですが、何日かして、見舞いに行った時のことです。

受付に「あの、妻のお見舞いに来たのですが」と言うと、「あ、面会ですか」と言う。

僕は再び、「いえ、お見舞いです」と言った。まあ面会も広い意味で、「顔を合わせる」という意味なら、「お見舞い」も「面会」かもしれぬ。

だが「病人」には、やはり「お見舞い」であろう。

些細なことかもしれないが、「言葉」は大切にしたい。

「面会謝絶」という言葉もあるな、と思いつつ、病棟まで行く。

妻が「コーヒーを飲みたい」と言う。

病院内に喫茶があるとのことで、そこに行こうとしたところ、彼女に既に仲間が出来ていた。

「一緒にコーヒー」というので、もちろん歓迎してお供することに。

コーヒー一杯105円、という安さにも驚いたがその仲間担当看護師の一言に、もっと驚いた。

「じゃ105円あげる」

僕は怒って、「何だ、その、あげる、という言い方は」「ひょっとしてその方福祉で暮らしているにしても直接アンタの金ではないだろっ!」

妻は逆に驚いて「私も平和に入院していたいから」

それもそうだと思った。看護師も女性だし。

帰り道、考えた。

「言葉は大切にしなきゃ」

翻って「面会」という言葉、よく犯罪者に使う。

刑務所に「面会」に行く、と。

でも犯罪者も犯罪を犯したくてたまらなくなり、やってしまったという人ばかりではなかろう。

思うに、犯罪というもの、人は自分の意思ばかりではなく世の中の気分に乗って、手取り足取り犯罪に向けられただけ、ではなかろうか?動機も手口も手段も犯人個人のオリジナルとは考えづらい。

例えば、奈良のKさん。最近、再審請求中と聞くが、事件後すぐの法廷では「俺を死刑にしてくれ」と叫んだらしい。

ご自分のロリコン趣味に絶望なさったのだろう。

こちらも男である。ネット・サーフなどすれば、時折、ロリコン画像にお目にかかる。びっくりするが、Kさんだってお初にご覧の時はさぞ驚いたと思う。

とすれば、刑務所も「お見舞い」ではあるまいか?

なにせ犯罪である。こちらは経験ないが、多分、重労働だったこと想像に難くない。罪を償ってらっしゃる方に「お見舞い」は当然ではあるまいか?

島田事件の冤罪を着せられた赤堀さんなどまして無罪である。

「お見舞い」を「面会」と中性的な言葉に置き換えられ、無念の想いを何度なさったことだろう。

言葉にはくれぐれも気を遣い、想いを致して使っていこう。

因みに、妻は無事退院して今、現在は横ですやすや眠っている。

2007.11.12

平成21年度「杉並区政を話し合う会」に参加して

―自殺対策推進に関して提言―

東京:日本DMDクラブ・ピアサポート隊

自殺未遂サバイバー・吉田銀一郎

『自殺対策推進の経緯から』12年前より2006年までの9年間連続毎年自殺者が、3万余名の悲報です。

この事態を踏まえて、自殺対策の有志(NPO、参議員有志 他)が集い、立法の為、全国的に署名運動を実施した。

後に「厚労省」大臣へ提出し、国会審議の末に!!

2006年(H18年)10月、満場一致で「自殺対策基本法」が成立し、施行となった。内閣府には自殺対策推進室が設置され、高市内閣府特命大臣の下で「自殺総合対策の在り方検討会」が開催された。これにより2007年(H19年)5月に内閣府より「自殺総合対策大綱(素案)」が固まる。以降は内閣府や東京都、杉並区等々主催で、全国的にシンポジウムや種々イベントが開催された。

大きくは、毎年開催の東京ビッグサイトの国際会議場での「WHO世界自殺予防デー」、今年で第5回目等がある。

『しかし残念なかぎり』「自殺対策基本法」施行後の今日も「旧態依然」として毎年自殺者は、3万余名の高止まりである。これは早速、個人や家族だけの問題でなく、社会的問題で、国家の損失は真に甚大だ。

以上の事項を踏まえて、今日に至る内閣府、東京都、杉並区等々の主催に依る種々なる「シンポジウム&イベント」内容の考察から「改善&改革」の必要性から提言する。

概要としては、第一項に「病の予備知識としての(転ばぬ先の杖)がある」第2項に「自殺未遂サバイバー(克服者)の生の声を傾聴する(百聞は一見に如かず)の2つが必須です」この二項を具現化するには、

第一項の「転ばぬ先の杖」に関しては、

① 悶々として「うつ病疾患」に為る前のこの時期が「早期発見・早期治療」に最善の時です。

② 家族や本人が、うつ病の「疾患と診療」の内容と実態の詳細が、「一目瞭然」と理解出来る様に明記した、「ポスター」と「掲示」を、全世帯に配布の徹底です。

第二項の「百聞は一見に如かず」に関しては、

① 自殺未遂サバイバー(克服者)or(超克)の参画による、体験談や語り部を以っての、シンポジウム開催と各種イベントの開催を実行する事です。

以上の二項は実践に依り自殺者は軽減すると確信している。

注①この二項に関しては、すでに提言として内閣府と出先機関の国立精神神経センター&参議員有志に提唱している。

②(有識者と称される従来の健常者だけの「シンポジウム」やイベントの開催では、生の声を蔑ろにした単なる「机上の論」に他ならない)

昨年は12月だけでも自殺対策緊急研修会が都庁、日本財団、参議院議員会館と3回ありました。

皆様!与えられた人生です。命は大切に!!

運営委員会報告&活動報告

○10月28日 医療観察法院内集会の報告

参加者は50名以上、準備した資料が足りない盛況であった。参加者のうち国会議員は9名、秘書18名でこの問題への関心の広がりが感じられた。

8名の議員があいさつしたが、はっきり廃止という発言は少なく、見直しが必要という声が多かった。

まず弁護士の池原さんから法律的な問題点指摘。この法律では人権侵害が構造的にあること、社会的入院が発生していることなど。精神科医の岡田さんからは精神鑑定に誤診がかなりある、治療が分断されている。この法が金と人手を奪い、一般の精神科医療を蝕んでいる点など指摘。

通院指定医療機関の精神保健福祉士からは、医療機関間の引継ぎの不十分さ、自殺未遂、烙印による退院の反対などの実態が述べられ、すでに現場では破綻しているという報告。そのほか青森の桐原、大阪からぼちぼちクラブの森川さん。兵庫の高見さんなどの発言があった。

○11月22日 集会とマリオンの報告

集会では、全国の仲間も集まり、久々の顔ぶれといった感じがありました。大崎にある南部労政会館で集会と総会を行うことになっており、総会は午前中に、集会は午後となっています。集会が終わると、夕方からマリオンに一斉に移動。街頭でデモ&ビラまきをします。ネットワークの総会は11時からだったのですが、僕は9時についてしまいました。なので、隣りのコンビニで1時間に渡り雑誌を立ち読み。10時ごろに南部労政会館のロビーで仮眠をしていたら、ネットワーク事務局の長谷川さんがきました。青森の仲間が給料を受け取らないで残業している件と、労働規則にない制裁を受けたことを相談したら、いろいろと教えてくれました。その後、山中さんが来て、総会の準備をしていました。僕は手伝いませんでした。

暫くして、徐々に人が増え始め、ネットワーク代表の龍眼さんもきました。総会は、高速道路で150キロだすようなスピードで進めて、時間内に議論が終わりました。昼ごはんを買いに行って、ご飯を食べている途中に、眞理さんから、前回のニュースに振込用紙がはいっていたことで、請求書と間違って退会した人がいたという話を聞いて、ショックでした。

集会は無事始まり、山中さんが基調報告を読み上げました。池原弁護士の話、岡田医師の話、大阪の森川さんの話と続きます。リレートークでは、京都の坂根さんの発表の後に、僕が発表しました。時間が押していると聞いて早口で話したら、会場から「聞き取れない」と怒られました。

大阪の有我さんが、トリエステの話をして、非常に勢いがあってよかったです。しかし、僕たち、病者集団は、水を差すようで悪いけど、トリエステの問題を指摘しました。マリオン前のデモは、寒くて、なかなか通行人はビラを受け取らなくて、20枚くらいは巻きましたが、辛かったです。最後に飲み屋で交流会をして、反省点と今後の展望の議論をしつつ解散しました。(桐原)

○ 11月26日 厚生労働省のヒアリング

3日間厚生労働省障害福祉部が、障害者団体家族団体他有識者、サービス提供側の各団体の意見を聞きました。その2日目全国「精神病」者集団にも声がかかり(結成35年こちらから押しかけたことがありますが、厚生労働省から呼ばれたのははじめて)参加しました。当日は民主党議員も6,7名参加、山井厚生労働省政務官も参加しました。以下が提出した意見書と口頭原稿です。なお当日配布資料として、青森宣言、行動計画、また以下パンフおよびリーフレットを配布しました。「WNUSP条約履行マニュアル」、「精神障害者の介助支援とは(22ページ参照)」「閉じ込めないでもうこれ以上」、カラー版医療観察法QandAリーフ。

意見書および読み上げ原稿はこちらをご覧ください

○ 12月7日 内閣府泉健太政務官との面会

12月7日 内閣府の泉政務官とJDF(日本障害フォーラム)が面会した。政務官からは新たに作られる障がい者施策推進本部の説明があった(資料参照)

全国「精神病」者集団からは運営委員の関口が参加民主党の政策の13番目の

医療との連携についてよく考えてほしいこと及び、医療観察法については、その廃止を求め、根拠として立法事実がないこと、破綻した実態であること、障害権利条約に違反した差別立法であることを述べた。

資料

障がい者制度改革推進本部の設置について

平成21年12月8日

閣議決定

1 障害者の権利に関する条約(仮称)の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革を行い、関係行政機関相互間の緊密な連携を確保しつつ、障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、内閣に障がい者制度改革推進本部(以下本部」という。)を設置する。

2 本部の構成員は、次のとおりとする。ただし、本部長は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求めることができる。

本部長 内閣総理大臣

副本部長 内閣官房長官

内閣府特命担当大臣(障害者施策)

本部員 他のすべての国務大臣

3 本部は、当面5年間を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置付け、改革の推進に関する総合調整、改革推進の基本的な方針の案の作成及び推進並びに法令等における「障害」の表記の在り方に関する検討等を行う。

4 本部長は、障害者施策の推進に関する事項について意見を求めるため、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する者及び学識経験者等の参集を求めることができる。

5 本部の庶務は、関係行政機関の協力を得て、内閣府において処理する。

6 前各項に定めるもののほか、本部の運営に関する事項その他必要な事項は、本部長が定める。

7 平成12年12月26日閣議決定により設置された障害者施策推進本部(以下「旧本部」という。)は廃止し、これまで旧本部が決定した事項については、本部に引き継がれるものとする。

本件照会先:内閣府政策統括官(共生社会政策担当)

障害者施策担当 関参事官/神林補佐

電話: 5253-2111(内線44131)/3581-0277(直通)

国内人権機関設置と各選択議定書批准の実現への広範な共同行動の呼びかけ

日本では公権力による人権侵害・差別や私人間の人権侵害・差別などが日々起きています。わたしたち人権NGOはそれぞれの立場から、これまでこうした人権侵害・差別事象を根絶し、また人権を侵害され、差別された個人やマイノリティの権利を救済するため、(1)政府から独立した国内人権機関の設置と(2)各選択議定書の批准等を求めてきました。
さる9月16日、千葉景子法務大臣は大臣就任記者会見において、人権救済機関の設置、個人通報制度の受諾、取り調べの可視化を実現することを明言されました。「この発言をひとつの契機として、積年の標記の課題を何とか実現できないか」と関心を共有するNGOが人権市民会議の呼びかけで何度か会議を重ねる中で到達した結論は、これまで各分野で同様の要請をしてきたNGOや団体がその裾野を広げ、できるだけ多くが協働し、課題実現にむけての共同行動を重ねていくということでした。
つきましては、添付のNGO共同要請書の提出を皮切りに、国内人権機関の設置と各選択議定書の批准等のため政府が閣法を国会に提出するまで、標記の課題実現に向けて協働し、共同行動を重ねていくことを呼びかけます。
この趣旨にご賛同下さり、多くのNGOや個人がこの運動にご参加下さるようお願い申し上げます。
2009年11月11日
川村暁雄/佐藤信行/関口明彦/土橋博子/寺中誠/原由利子/山崎公士
◆要請書にご署名くださる団体/個人は下記連絡先までメールまたはFAXにて、(1)団体名/個人名、(2)英語表記、(3)連絡先をご明記の上、ご連絡下さい。
連絡先:人権市民会議(福井)
〒106-0032 東京都港区六本木3-5-11
tel:050-3532-5523 fax:03-3585-8966
e-mail:fukui.cc.for.hr atmark gmail.com
署名第一次締め切り:2009年12月3日(木) (15:00)


共同要請書

内閣総理大臣
鳩山由紀夫 様

国家戦略室担当大臣
菅 直人 様

法務大臣
千葉 景子 様

外務大臣
岡田 克也 様

内閣府特命担当大臣
福島 瑞穂 様

2009年xx月xx日

国内人権機関設置と各選択議定書批准に関する

共同要請書

私たちは人権に関する法制度を日本国内に確立することを求める市民です。
千葉景子法務大臣は9月16日の就任記者会見で、人権救済機関の設置、個人通報制度の受諾、取り調べの可視化の3つの課題を実現することを明言されました。私たちはこの発言を支持し、実現に向けた取り組みを早期に始めるよう求めます。なかでも、人権救済機関の設置と各選択議定書の早期批准等に関して、以下を要請いたします。
1. 独立した国内人権機関の創設
国内人権機関(たとえば、人権委員会)の設置にあたっては、「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」に準拠し、公権力による人権侵害や差別、ならびに市民間における人権侵害や差別を簡易、迅速、実効的に救済する機関にすることが重要です。同時に、明確かつ具体的な差別禁止法の制定が欠かせません。また、運営、財政、人員などあらゆる観点において政府から独立したものとし、日本国内の多様なマイノリティ当事者が人権委員会委員として参加できる機関にしてください。
2. 各選択議定書の早期批准
日本は、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会など人権諸条約の実施機関から、個人通報制度を定める各人権諸条約の選択議定書を批准し、また個人通報を条約実施機関が審査する権限を認める宣言を行うよう、繰り返し勧告されています。国際的な人権基準を国内でも確立することは、人権理事会の理事国である日本の責務であると考えます。したがって、そうした勧告を真摯に受け止め、受け入れることを求めます。同時に、関係する国内各法を見直し、整備するとともに、司法の場においても人権諸条約が真摯に適用される環境を醸成するよう努力してください。
※以下、署名は2009年11月25日現在

<団体署名>
I女性会議
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
アジア女性資料センター
アムネスティ・インターナショナル日本
特定非営利活動法人 動くゲイとレズビアンの会
えひめ教科書裁判を支える会
外国人人権法連絡会
外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会(外キ協)
外登法の抜本的改正を求める神奈川キリスト者連絡会
特定非営利活動法人 釜ヶ崎医療連絡会議
特定非営利活動法人 監獄人権センター
CATネットワーク
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会
在日韓国人問題研究所 (RAIK)
笹島診療所
市民外交センター
人権市民会議
「人権・正義と平和連帯フォーラム」・福岡 NGO
全国聴覚障害者連絡会議
全国「精神病」者集団
難民・移住労働者問題キリスト教連絡会
反差別国際運動日本委員会 (IMADR-JC)
フォーラム平和・人権・環境
平和の井戸端会議
へいわとふくしを見つめる会
「平和への結集」をめざす市民の風
<個人署名>
65名

参考資料

望ましい国内人権機関の骨子
国内人権機関に言及した勧告

09年11月26日 厚生労働省ヒアリング

厚生労働省より自立支援法および今後の新法のあり方について意見を聞きたいという要請を受けました。

結成35年間で初めてのご招待です(今まで押しかけたことはありますが)

以下の意見書を出すとともに、添付資料として青森宣言と行動計画、そして以下を添えました。

絆社発行の「精神障害者の介助支援とは」パンフ
http://nagano.dee.cc/kaijosien.htm
医療観察法を許すなネット発行の医療観察法パンフ
http://nagano.dee.cc/leafsample.htm
なくす会のリーフ
http://nagano.dee.cc/090509leaf.htm
WNUSPの条約履行マニュアルを添えました。
http://nagano.dee.cc/wnuspmanual.htm

意見書は以下

厚生労働省に対する意見書

09年11月26日

全国「精神病」者集団

1 心神喪失者等医療観察法を直ちに廃止し、その予算を精神障害者の他のものと平等な差別なき地域生活確立のためにふりむけること

2 当面の予算措置については以下を緊急に求める

1 各地で頻発している自立支援法申請そのものへの拒否、水際作戦をなくすために、申請は権利であることを市町村及び相談支援事業所(とりわけ申請窓口をかねているところ)に徹底指導し、そのための事務費用の財源措置をとること

2 重度訪問介護について精神障害者知的障害者も対象として、財源 保障す ること。また家事援助についても必要に応じて長時間を支給し、相談 助言や見守りに使えるよう一律上限を置いてはならないという指導を市町村に行い財源保障をすること

3 精神科病院敷地内のおける「地域移行型ホーム」、「退院支援施設」の新設凍結と、既存施設に対して解体及び地域移行計画を立てそれに向け財源保障をすること

4 屋外の移動のみという支給によって現実には使えない通院等介護(身体介護なし)につい、医療機関、役所等でも待ち時間、さらに診察時間、交渉相談時間についても支給し、それに向け財源保障を行うこと

5 自立支援医療について精神障害者の精神科病院入院にも適用すること

3 自立支援法に代わる新法にむけた議論について

新法についてはあくまで障害者権利条約の完全履行を目指し、権利主体として障害者を認めることが前提である。自立支援法廃止につづく新法設置については根底的な議論が必要であり、最低でも3年間の徹底した議論を求める。

障がい者制度改革推進本部を法律で設置し、そのメンバーについては過半数を障害者団体から参加させるとともに半数は女性とすること。他の委員についても障害者団体の推薦するものとすること。事務局長も障害者、事務局員についても過半数を障害者団体から参加させるとともに半数を女性とすること。なおメンバーの選任については国籍及び先住民についても配慮すること

各課題(たとえば障害の定義、サービス類型、支給決定システムなどなど)については推進本部下に作業部会を作りそこに障害者団体からの参加者とその推薦する委員を指名すること。

なお精神障害者団体の参加については全国「精神病」者集団及び以下3団体の参加を各団体が望む限り保障すること

NPO法人 全国精神障害者団体連合会

NPO法人 全国精神障害者ネットワーク協議会

全国ピアサポートネットワーク

口頭の説明は追加補足もありますが以下

まず緊急な予算措置を求める要望について述べます。

大前提として、精神障害者差別立法であり、膨大な予算と人手を必要とする心神喪失者等医療観察法の即時廃止を求めます。

この法律は旧政権下当時の全野党反対のもとで、衆参両院とも強行採決されたものです。とりわけ参議院では日本精神病院協会からの不正な献金疑惑追及のさなかに抜き打ち強行採決されました。

来年度の医療観察法予算は約220億円ですが、奈良県の松籟荘でのこの法の施設新設の説明会では、入院期間は原則1年半だが、1割は長期化すると言明しています。したがって、この法の予算は青天井で増えていくことになります。

精神障害者を差別的に予防拘禁、不定期拘禁する人権侵害そのもののこの法に使われる膨大な予算を、緊急を要する長期入院の高齢化した方たちが地域で暮らせるための支援策に回すことをもとめます。

すでに厚生労働省の報告では5年以上の長期入院患者の退院のうち7割は死亡退院(誤りあり文末注参照)とされています。

10年20年と入院生活を強いられてきた方の人生被害は取り戻せませんが、少なくともこの方たちが、施設ではなく家と呼べるところで、丼飯ではなくお茶碗で家庭料理がとれ、そして自分なりの地域生活がおくれるための一人一人に合わせたオーダーメイドの支援と介助を保障するために予算が振り向けられるべきです。

また各地で頻発している、自立支援法の介助申請の精神障害者に対する水際作戦は厳にあってはならないとの指導を各市町村および相談支援事業所(申請受付もかねている)に徹底しそのための財源保障をすることを緊急に求めます。ある民間委託を受けていて精神のみを対象として申請窓口もかねている相談支援事業所では、4回相談支援事業所に行き、家庭訪問までしても申請させず、4回目に私どもに本人からSOSがあり、私どもから本庁に申請は権利だろう、ともかく申請させろということで5回目にして申請ができた例があります。この方は現在支給決定を受けています。そのほか、手帳の3級だから、うつ病だから、家族と同居だから申請しても支給されないということで申請そのものをさせない例が多発しています。

その上であくまで本人の希望に即した介助と支援の保障として、自立支援法の重度訪問介護を精神障害者知的障害者も対象として、財源保障すること。さらに家事援助についても必要に応じて長時間支給し、相談や助言見守りにも使えるよう一律上限をおいてはならないという指導を市町村に行うとともにその財源保障をきちんと行うことを求めます。

精神科病院敷地内における「地域移行ホーム」および「退院支援施設」は、「退院」という名の新たな施設収容にほかなりません。ただちに廃止を求めます。既存のこの施設については解体および地域移行計画を個別に立て、一人一人に合わせたオーダーメイドの支援介助を保障することを求めます。そしてそれに対して財源保障を求めます。

精神障害者の治療中断を問題にする専門職および国の意識がありますが、おそらく全科の通院患者でもっとも主治医の指示通り服薬しているのは精神障害者です。これは神戸の大震災の際に、処方箋を求める患者の声の圧倒的な高さで証明されています。

通院したくとも通院自体が困難で、通院できないとき介助を必要としていても、現行の通院等介護(身体介護なし)では、医療機関、相談機関、役所等での待ち時間や診察時間、交渉相談時間については支給されません。したがって現実には使えない制度となっています。待ち時間や診察時間を100%自己負担で介助を得ている方もおられます。

とりわけ医療機関での待ち時間の不安感の解消や診察に際して支援が必要な場合にはこうした支給が最も重要です。医療機関とりわけクリニックのスタッフ配置ではとても一人一人の安全保障観確保は保障できません。日ごろから付き合っている支援者がいてこそ安全保障観が確保され、診察が受けられます。通院したくても通院できず、薬も切れてしまう現実の解決を求めます。そしてそれに向けた財源保障を求めます。

現在精神科病院では保険外の自己負担がさまざまな形で求められます。ロッカー使用料1日150円とか、あるいは小遣い銭管理料1日200円などというところがたくさんあります。自分で小遣い銭は管理できますといっても一律要求する精神科病院もあります。

生活保護の受給者はまだしも、それ以外の「精神病」者は住民税課税世帯であれば、2級の年金全てが医療費の自己負担に消え、入院中にジュース1本買うお金もない方がたくさんおられますし、いまどきシケモクを拾う人のいるところはホームレス以外精神科病院だけでしょう。小遣い銭管理料を1日200円とられたら、家族が月に1万円差し入れても本人の手に渡るのは4千円です。

また退院準備のために自立生活体験施設の利用のための外出や外泊などについても交通費すらない方が多く、退院促進事業の対象となっても本人の交通費や住宅探しで疲れてちょっとドトールでコーヒーを飲もうとしてもそのお金すら本人に保障されません。退院促進のためにも長期入院患者に対して退院準備金の支給も考えられるべきです。

こうした問題を解決するためにも、そして何より自立支援法の看板である三障害統合の趣旨に基づき他障害同様自立支援医療を精神科病院入院にも使えるよう求めます。そのための緊急の予算措置を求めます。

自立支援法に代わる新法に向けた議論については何よりも「私たちのことを私たち抜きに決めるな」の原則が貫かれることが必要です。精神障害者の求める介助と支援については、今までまったく私たち精神障害者の声が反映されず、ベッドに合わせて手足を切る、あるいは引き伸ばすというお仕着せでなんとも使えない制度となっています。

精神障害者の求める介助支援については根本から見直される必要があります。

注 7割が死亡退院というのは誤りで、7割が死亡あるいは転院ということでした。

資料は以下参照

第9回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会資料(平成20年9月
3日開催)
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/vAdmPBigcategory60/6690A1E165F25F9B492574BA001960EB?OpenDocument

そのうち論点整理の資料1-2

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/6690a1e165f25f9b492574ba001960eb/$FILE/20080904_5shiryou1-2_1.pdf

○ また、入院期間1年以上患者は全体の65%を占めているが、退
院患者のうち、在院期間が1年以上で退院した患者の割合は約13%
であり、そのうち転院や死亡による退院は2割以下となっている。
これに対し、退院患者のうち、在院期間が5年以上で退院した患
者の割合はわずか4%に止まり、そのうち転院や死亡による退院は
7割以上となっており、入院期間が長期化するほど、退院患者にお
ける割合が下がるとともに転院や死亡による退院の割合が高くな
っている。

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